カテゴリー「書籍の紹介」の165件の記事

2021.10.13

見えない絶景 深海底巨大地形/藤岡換太郎

僕はGoogle Mapの航空写真で海底の地形をぼんやり眺めているのが好きです。

藤岡換太郎の「見えない絶景」は、その海底地形の成り立ちがわかりやすく説明されています。

プレートテクトニクスによって作り出された海溝や海嶺、地上より変化に富んだ海底地形は魅力的です。

でも、実際はわからないことが多いんだね。

大きめの地震が起きると開く一冊です。

211013
・ Google Map

本見えない絶景 深海底巨大地形
藤岡換太郎(Fujioka Kantaro)
講談社 ブルーバックス/2020

書籍の紹介一覧 B0165

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2021.10.02

ゆでめん/野上眞宏・鈴木 茂

1970年にリリースされたはっぴいえんどのファーストアルバム「はっぴいえんど」(通称:ゆでめん)の録音当時の写真集が発売されました。

写真は野上眞宏、監修ははっぴいえんどのメンバーの鈴木 茂が行い、巻末には鈴木 茂が録音当時を語るインタビューが掲載されています。

写真はのほとんどはモノクロームのスナップ写真で、若き日の細野晴臣、大瀧詠一、松本 隆、鈴木 茂が切り取られています。

はっぴいえんどの曲を初めて聴いたのは、NHK AM 第一の22:20~23:00まで放送していた「若いこだま」です。

当時、そこから流れるはっぴいえんどの曲は、挑発的で実験的で生き生きとしていて、中学生の僕に衝撃的でした。

古くからのファンには貴重な写真集です。

210925
・ 写真集「ゆでめん」(左)とLP:はっぴいえんど/はっぴいえんど

本ゆでめん(写真集)The First Album by Happy End Recorded in April 1970
写真:野上眞宏(Nogami Mike) 監修:鈴木 茂(Suzuki Shigeru)
ミュージックマガジン/2021

書籍の紹介一覧 B0164

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2021.07.25

緊急提言 パンデミック/ユヴァル・ノア・ハラリ

新型コロナウイルス感染症が流行していることもあって、この関係の書籍を少しずつ読んでいます。

「緊急提言 パンデミック」は、パンデミックが世界的に問題になった昨年前半にユヴァル・ノア・ハラリの起稿やインタビューをまとめたものです。

新型コロナウイルス感染症を科学的な側面から書かれたものが多くありますが、この本はハラリの専門分野、哲学の側面から書かれています。

私たちは、感染症に対処するにあたっては科学を信頼するべきだが、自分は一時的存在であり、必ず死ぬという事実に取り組む責務も、依然として担わなければならない。
70ページ 死に対する私たちの態度は変わるか?

感染症と戦いと共生が人類の歴史の一面になっていることを、改めて考えさせられます。

関連エントリー
・ 新型コロナウイルスを制圧する/河岡義裕,河合香織 2020.11.12
コロナの時代の僕ら/パオロ・ジョルダーノ 2020.07.20

本緊急提言 パンデミック 寄稿とインタビュー Urgent Suggesution on the PANDEMIC ARTICLES AND AN INTERVIEW
ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Jarari) 訳:柴田裕之(Shibata Yasushi)
河出書房新社/2020

書籍の紹介一覧 B0163

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2021.07.05

ナミヤ雑貨店の奇跡/東野圭吾

Amazon Prime Videoで観てよかったので原作を読んでみました。

複数の場所で起こった別のことがひとつの物語に収斂していくファンタジーです。

映画よりふたつの多く物語が描かれています。

ナミヤ雑貨店と児童養護施設 丸光園を軸に過去と現在をそれぞれの登場人物が問題を抱える中、素敵に絡み合っていきます。

僕は東野圭吾はガリレオシリーズくらいしか読んだことがありませんでしたが、最近、よく見るようになったAmazon Prime Videoで物語を知り、原作を読む機会が増えました。それも悪くないですね。

本ナミヤ雑貨店の奇蹟
東野圭吾(Higsshino Keigo)
角川書店/2012

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2021.04.03

大滝詠一 A LONG VACATION読本 40th ANNIVERSARY /大瀧詠一

大瀧詠一の「A LONG VACATION」リリース40周年を記念して発売された「A LONG VACATION VOX」の関連書籍です。

当然ですが「A LONG VACATION」にまつわる話やはっぴいえんど時代を含めた大瀧詠一のディスコグラフィが掲載されています。

1981年リーリースの「A LONG VACATION」が、CBSソニーのCD第1号ということを初めてこの本で知りました。僕はLPレコードで持っていて、当時まだCDプレイヤーは高くて買えなかったんじゃなかったな。

大瀧詠一自身の編集で1982年に「All About Niagara 1973-1979」、2005年にその後の情報を加えた「All About Niagara 1973-1979+α」を出しています。こちらは大瀧さん自身の編集だけあって、かなりマニアックで大瀧さんの世界が満載です。

210403
・ 左:大滝詠一 A LONG VACATION読本 40th ANNIVERSARY(2021)
・ 中:All About Niagara 1973-1979+α (2005)
・ 右:All About Niagara 1973-1979 (1982)

関連エントリー:All About Niagara 1973-1979+α/大瀧詠一 2006.02.09

本大滝詠一 A LONG VACATION読本 40th ANNIVERSARY
監修:湯浅 学(Yuasa Manabu)
別冊ステレオサウンド/2021

書籍の紹介一覧 B0161

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2021.01.13

宇宙に行くことは地球を知ること/野口聡一・矢野顕子

この本は、現在、国際宇宙ステーション(ISS)で3回目のミッションに取り組んでいる野口聡一さんと矢野顕子さんが、ミッション前に行ったロングインタービューをまとめたものです。

宇宙飛行士本人が書いたりインタビューをまとめた本はいろいろあるけれど、この本は矢野さんの視点で質問がされ、野口さんが詳しく答えているところが面白いです。矢野さん自身宇宙関係の知識が豊富でその上で彼女の感性で質問しているところが親しみが持てます。

船外活動での死との隣り合わせの絶対的な孤独と、眼下の圧倒的な生命の星 地球の美しさは、実際に経験したことしか味わえない特殊な感覚なのでしょう。

それと、読んでいて思ったのはISSは技術も運用も徐々に民間に移っているということです。

今回、ISSまで行ったクルードラゴン1号機はスペースX社のものだし、民間の宇宙利用の始まりですね。

そしてNASAをはじめとした公は、月や火星の有人ミッションに力を入れていくことでしょう。

この本は気楽に読めて、それでいて内容が充実しているので面白いです。

本宇宙に行くことは地球を知ること -「宇宙新時代」を生きる
野口聡一(Noguchi Souichi)・矢野顕子(Yano Akiko)・取材・文:林 公代(Hayashi Kimiyoi)
光文社新書/2020

書籍の紹介一覧 B0160

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2021.01.08

地球科学入門 地球の観察 地質・地形・地球史を読み解く/平 朝彦・海洋研究開発機構

この本は、海洋地質学や地球史が専門の平 朝彦さんと海洋及び地球に関する研究・開発をする海洋研究開発機構(JAMSTEC)が地球科学の入門書としてまとめられたものです。入門書といっても内容はかなり専門的ですが...

JAMSTECの有人潜水調査船「しんかい6500」や地球深部探査船「ちきゅう」などによって、調査された結果などが図や写真をふんだんに使って視覚的に表されています。

また、別冊のや用語解説、追加説明にQRコードによりネットなどを参照でき情報量が豊富です。

1. 地球を眺める 海洋底と大陸の大地形 2. 海底の世界 3. 地層のでき方 4. 火山の脅威 5. プレートの沈み込みと付加体の形成 6. 地質学的に見た東北地方太平洋沖地震・津波 7. 地球史と日本列島の誕生 8. 海洋・地球を調べる と、どれも興味深い8章にわかれています。

とても面白い一冊です。 

本地球科学入門 地球の観察 地質・地形・地球史を読み解く
平 朝彦(Taira Asahiko)・国立研究開発法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)
講談社/2020

書籍の紹介一覧 B0159

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2020.11.12

新型コロナウイルスを制圧する/河岡義裕,河合香織

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)そのもに対峙し、その性状と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策に関与している研究者の本です。
多忙な河岡義裕さんのSARS-CoV-2の考え方を河合香織さんがインタビュー形式でまとめられています。

新型コロナウイルス感染症は、マスメディアで専門家もそうでない人も様々な考えを言っているけれど、本当のところはどうなのかと不安になります。
そうした中で、ウイルスそのもの対峙している研究者の現在進行形の話は参考にもなり面白くもあります。

この本は今年の7月までの状況が書かれたもので、それまでに分かっていることや不明な点がわかりやすく書かれています。

中には、マスクの効果について実験中の記述もあり、これについては最近、結果が公表されました。

 Effectiveness of Face Masks in Preventing Airborne Transmission of SARS-CoV-2 September/October 2020 Volume 5 Issue 5 /American Society for Microbiology

この冬の感染拡大が心配されていますが、今、PCR陽性者が増えつつあるウイルスか、これまでのウイルスと同等なのか変異しているのか気になるところです。
この点もいずれ河岡さんの研究チームが明らかにしてくれるでしょう。

関連エントリー
・ インフルエンザ危機/河岡義裕 2006.02.03
インフルエンザ パンデミック/河岡義裕,堀本研子 2009.11.12
コロナの時代の僕ら/パオロ・ジョルダーノ 2020.07.20
・ 緊急提言 パンデミック/ユヴァル・ノア・ハラリ 2021.07.25

本新型コロナウイルスを制圧する ウイルス学教授が説く、その「正体」
河岡義裕(Kawaoka Yoshihiro) 聞き手:河合香織(Kawai Kaori)
文藝春秋/2020

書籍の紹介一覧 B0158

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2020.09.10

電車を止めるな! ~呪いの6.4km~/寺井広樹

「電車を止めるな!」は、経営不振にあえぐ銚子電気鉄道が、起死回生のために企画した「心霊電車」。それが、本当の心霊電車になってしまったという物語です。

この小説が、映画化され今公開されています。 ただ、残念ながら静岡では今のところ公開されていません。

銚子電鉄は、慢性的に経営状況が悪く、「ぬれ煎餅」や「まずい棒」を販売したり、駅舎をメルヘン風?にしたり、様々な企画をしています。
先日も。「お先真っ暗オーバーサングラス」、「すべらない くもらない メガネ拭き」などがセットになった「お先真っ暗セット」が販売になったので購入しました。

経営危機は深刻なのでしょうが、銚子電鉄のどこかとぼけた開き直りを応援したくなります。

映画された「電車を止めるな!」。静岡でも上映しないかなあ。


冒頭3分間を特別公開! 映画「電車を止めるな!」本編映像映画「電車を止めるな!」公式

関連エントリー:銚子電鉄の「お先真っ暗セット」が届きました 2020.05.08

本電車を止めるな! ~呪いの6.4km~
寺井広樹(Terai Hiroki)
PHP文芸文庫/2019

書籍の紹介一覧 B0157

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2020.07.20

コロナの時代の僕ら/パオロ・ジョルダーノ

6月下旬頃から新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の陽性者数が増えてきています。行動制限の緩和によるウイルスの伝播はある程度予想されていたことですが、連日テレビでは専門家もそうでない人もいろいろな見解を述べ、不安になるばかりです。

僕もSARS-CoV-2と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を知りたくて、少しづつ本を読んでいて、「コロナの時代の僕ら」もその1冊です。

作者のパオロ・ジョルダーノは「素数たちの孤独」の筆者です。「素数たちの孤独」は偶数を挟んで隣り合う双子の素数に重ね、近づけど決して交わらないふたりを描いた恋愛小説で面白かったです。素粒子物理学を専攻したジョルダーノが、COVID-19に関するエッセイを書いているというので読みました。

このエッセイは、今年の春、感染爆発が起こり非常事態宣言が出されたイタリア・ローマで書かれています。

ジョルダーノはCOVID-19の専門家ではありませんが、科学的な視点で冷静にそれでも異常事態のもとで様々な考えが書かれています。

下の引用はエッセイの最後に書かれた一文です。恐らく、ジョルダーノが書くようにSARS-CoV-2の陽性者が増加すれば行動制限し、減少すれば緩和することを何度か繰り返し終わりを迎えるのでしょう。そしてSARS-CoV-2は、新型インフルエンザといわれたA/H1N1pam2009のように定着してしまうと思います。

ただ、その時に次に起こる他の病原体によるパンデミックに僕らは備えられるかというところですね。

もっとも可能性の高いシナリオは、条件付きの日常と警戒が交互する日々だ。しかし、そんな暮らしもやがて終わりを迎える。そして復興が始まるだろう。
支配階級は肩を叩きあって、お互いの見事な対応ぶり、真面目な働きぶり、犠牲的行動を褒め讃えるだろう。<中略>一方、僕らはきっとぼんやりしてしまって、とにかく一切をなかったことにしたがるに違いない。<中略>
もしも、僕たちがあえて今から、元に戻ってほしくないことについて考えない限りは、そうなってしまうはずだ。まずはめいめいが自分のために、そしていつかは一緒に考えてみよう。僕には、どうしたらこの非人道的な資本主義をもう少し人間に優しいシステムにできるのかも、経済システムがどうすれば変化するのかも、人間が環境とのつきあい方をどう変えるべきなのかもわからない。実のところ、自分の行動を変える自信すらない。でも、これだけは断言できる。まずは進んで考えてみなければ、そうした物事はひとつとして実現できない。
コロナの時代の僕ら 114~115ページ/パオロ・ジョルダーノ/飯田亮介(訳)

関連エントリー
素数たちの孤独/パオロ・ジョルダーノ 2009.09.30
・ 新型コロナウイルスを制圧する/河岡義裕,河合香織 2020.11.12
緊急提言 パンデミック/ユヴァル・ノア・ハラリ 2021.07.25

本コロナの時代の僕ら
パオロ・ジョルダーノ(Paolo Giordano) 訳:飯田亮介
早川書房/2020

書籍の紹介一覧 B0156

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