南海トラフ地震の真実/小沢慧一
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先日、地震調査研究推進本部から南海トラフ地震の30年発生確率値(2025.1.1時点)が、80%程度と発表がありました。
それで、思い出したのが中日新聞社(東京新聞)の記者 小沢慧一さんのルポルタージュ「南海トラフ地震の真実」です。
この本では、地震調査研究本部が発表する南海トラフ地震の発生確率は、同本部が発表する他の海溝型地震と算出方法が違い、言わば水増しされたものだということが書かれています。
本部が発表する「長期評価による地震発生確率値」は、活断層で発生する地震と海溝型地震(プレート境界型)で発表され毎年更新されています。
海溝型地震は、千島海溝(超巨大地震、十勝沖、根室沖)、日本海溝(超巨大地震、青森県東方沖及び岩手県沖北部、宮城県陸寄りの地震)、相模トラフ、日本海東縁部(北海道北西方沖、同西方沖、同南西沖)、南海トラフ、日本海東縁部(青森県西方沖、山形県沖、新潟県北部沖)で確率を算出しています。
この算出には、過去の地震の発生間隔を平均して割り出す「単純平均モデル」が使われていますが、南海トラフ地震だけは「時間予測モデル」という別の計算式が使われています。
そして、南海トラフ地震の30年確率は、時間予測モデルで70~80%(2013年)、他の海溝型地震と同じ単純平均モデルで20%と大きな差が出るというものです。
本部の地震調査委員会では、南海トラフ地震にのみ期間予測モデルを使うことに地震学者からは科学的でないとの意見があったようです。一方、行政・防災の担当者からは確立を大幅に引き下げた場合、行政が進める地震対策や危機意識に影響が出るという意見が出され、議論の結果、時間予測モデルが採用されることになりました。
この本では、議論の経過や時間予測モデルのデータのとり方に対する問題点などが詳細な取材により書かれています。
さて、南海トラフ地震の震源域の東のはずれに住む僕はどう受け止めたらいいのだろう?
結局、確率が0%でない限り明日地震が起きてもおかしくないので、日々の防災対策を怠るなということですね。
参照:時間予測モデル/」地震調査研究推進本部
関連エントリー:南海トラフ地震の30年発生確率が70~80%から80%程度に引き上げられたけれど 2025.01.20
南海トラフ地震の真実
小沢慧一(Ozawa Keiichi)
東京新聞(中日新聞東京本社) /2023
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