カテゴリー「書籍の紹介」の168件の記事

2025.01.21

南海トラフ地震の真実/小沢慧一

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先日、地震調査研究推進本部から南海トラフ地震の30年発生確率値(2025.1.1時点)が、80%程度と発表がありました。

それで、思い出したのが中日新聞社(東京新聞)の記者 小沢慧一さんのルポルタージュ「南海トラフ地震の真実」です。

この本では、地震調査研究本部が発表する南海トラフ地震の発生確率は、同本部が発表する他の海溝型地震と算出方法が違い、言わば水増しされたものだということが書かれています。

本部が発表する「長期評価による地震発生確率値」は、活断層で発生する地震と海溝型地震(プレート境界型)で発表され毎年更新されています。

海溝型地震は、千島海溝(超巨大地震、十勝沖、根室沖)、日本海溝(超巨大地震、青森県東方沖及び岩手県沖北部、宮城県陸寄りの地震)、相模トラフ、日本海東縁部(北海道北西方沖、同西方沖、同南西沖)、南海トラフ、日本海東縁部(青森県西方沖、山形県沖、新潟県北部沖)で確率を算出しています。

この算出には、過去の地震の発生間隔を平均して割り出す「単純平均モデル」が使われていますが、南海トラフ地震だけは「時間予測モデル」という別の計算式が使われています。

そして、南海トラフ地震の30年確率は、時間予測モデルで70~80%(2013年)、他の海溝型地震と同じ単純平均モデルで20%と大きな差が出るというものです。

本部の地震調査委員会では、南海トラフ地震にのみ期間予測モデルを使うことに地震学者からは科学的でないとの意見があったようです。一方、行政・防災の担当者からは確立を大幅に引き下げた場合、行政が進める地震対策や危機意識に影響が出るという意見が出され、議論の結果、時間予測モデルが採用されることになりました。

この本では、議論の経過や時間予測モデルのデータのとり方に対する問題点などが詳細な取材により書かれています。

さて、南海トラフ地震の震源域の東のはずれに住む僕はどう受け止めたらいいのだろう?

結局、確率が0%でない限り明日地震が起きてもおかしくないので、日々の防災対策を怠るなということですね。

参照:時間予測モデル/」地震調査研究推進本部

関連エントリー:南海トラフ地震の30年発生確率が70~80%から80%程度に引き上げられたけれど 2025.01.20

本南海トラフ地震の真実
小沢慧一(Ozawa Keiichi)
東京新聞(中日新聞東京本社) /2023

書籍の紹介一覧 B0168

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2023.05.30

清水港の鉄道と荷役/フェルケール博物館

このブログで1984年に廃線になった旧国鉄の清水港線と駅の跡地を取り上げています。

なかなか当時の資料を探すのに苦労していますが、面白い資料を見つけました。

それは、「清水港の鉄道と荷役」という清水区港町の港と船をテーマとしたフェルケール博物館が2008年に発行した冊子です。

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タイトルにあるように清水港とともに発展した明治後期から昭和50年代の鉄道についても書かれています。

内容は、国鉄 清水港線、静岡鉄道・静岡-清水線、石炭、木材、雑貨(緑茶・みかん・米・塩・大麦・砂糖・缶詰・綿花・洋紙・他)港周辺の工場の紹介、統計資料などです。

清水港線の歴史と痕跡を探索するのに役に立ちそうです。

冊子は、博物館のサイトでPDFファイルで提供されています。

参照:清水港の鉄道と荷役/フェルケール博物館

関連エントリー:清水港線跡 2022.09.08

本清水港の鉄道と荷役 明治後期~昭和50年代
フェルケール博物館
財団法人清水港湾博物館 /2008

書籍の紹介一覧 B0167

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2023.05.14

富士宮の歴史 自然環境編/静岡県富士宮市

「富士宮の歴史 自然環境編」は、静岡県富士宮市が市政施行80周年(2022年)を記念して発行されたものです。「富士宮の歴史」は、「自然環境編」の他「民族編」「通史編1~3」が予定されていて、「自然環境編」は第1弾とのことです。

内容は、

第1編 富士宮の自然環境 第1章 富士宮の大地 第2章 富士宮の気象 第3章 富士宮の植物 第4章 富士宮の動物

第2編 富士宮の自然と向き合った人々 第1章 先史~中世 第2章 近世~現代

で構成され、全223ページとボリュームがあります。

特に富士山南西麓に位置する富士宮の地学な成り立ちが図や写真を交えでわかりやすく説明されています。

小山真人静岡大学未来社会デザイン機構教授が編纂に加わっており内容は本格的なものになっている。また、巻末に参考文献が掲載されているのも便利です。

「富士宮の歴史 自然環境編」は、下記、富士宮市のサイトから1000円(送料別)で販売され、また無料ダウンロードができます。

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参考:富士宮の歴史 自然環境編/富士宮市

本富士宮の歴史 自然環境編
静岡県富士宮市 編集:市史編さん委員会
静岡県富士宮市/2023

書籍の紹介一覧 B0166

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2021.10.13

見えない絶景 深海底巨大地形/藤岡換太郎

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僕はGoogle Mapの航空写真で海底の地形をぼんやり眺めているのが好きです。

藤岡換太郎の「見えない絶景」は、その海底地形の成り立ちがわかりやすく説明されています。

プレートテクトニクスによって作り出された海溝や海嶺、地上より変化に富んだ海底地形は魅力的です。

でも、実際はわからないことが多いんだね。

大きめの地震が起きると開く一冊です。

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・ Google Map

本見えない絶景 深海底巨大地形
藤岡換太郎(Fujioka Kantaro)
講談社 ブルーバックス/2020

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2021.10.02

ゆでめん/野上眞宏・鈴木 茂

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1970年にリリースされたはっぴいえんどのファーストアルバム「はっぴいえんど」(通称:ゆでめん)の録音当時の写真集が発売されました。

写真は野上眞宏、監修ははっぴいえんどのメンバーの鈴木 茂が行い、巻末には鈴木 茂が録音当時を語るインタビューが掲載されています。

写真はのほとんどはモノクロームのスナップ写真で、若き日の細野晴臣、大瀧詠一、松本 隆、鈴木 茂が切り取られています。

はっぴいえんどの曲を初めて聴いたのは、NHK AM 第一の22:20~23:00まで放送していた「若いこだま」です。

当時、そこから流れるはっぴいえんどの曲は、挑発的で実験的で生き生きとしていて、中学生の僕に衝撃的でした。

古くからのファンには貴重な写真集です。

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・ 写真集「ゆでめん」(左)とLP:はっぴいえんど/はっぴいえんど

本ゆでめん(写真集)The First Album by Happy End Recorded in April 1970
写真:野上眞宏(Nogami Mike) 監修:鈴木 茂(Suzuki Shigeru)
ミュージックマガジン/2021

書籍の紹介一覧 B0164

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2021.07.25

緊急提言 パンデミック/ユヴァル・ノア・ハラリ

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新型コロナウイルス感染症が流行していることもあって、この関係の書籍を少しずつ読んでいます。

「緊急提言 パンデミック」は、パンデミックが世界的に問題になった昨年前半にユヴァル・ノア・ハラリの起稿やインタビューをまとめたものです。

新型コロナウイルス感染症を科学的な側面から書かれたものが多くありますが、この本はハラリの専門分野、哲学の側面から書かれています。

私たちは、感染症に対処するにあたっては科学を信頼するべきだが、自分は一時的存在であり、必ず死ぬという事実に取り組む責務も、依然として担わなければならない。
70ページ 死に対する私たちの態度は変わるか?

感染症と戦いと共生が人類の歴史の一面になっていることを、改めて考えさせられます。

関連エントリー
・ 新型コロナウイルスを制圧する/河岡義裕,河合香織 2020.11.12
コロナの時代の僕ら/パオロ・ジョルダーノ 2020.07.20

本緊急提言 パンデミック 寄稿とインタビュー Urgent Suggesution on the PANDEMIC ARTICLES AND AN INTERVIEW
ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Jarari) 訳:柴田裕之(Shibata Yasushi)
河出書房新社/2020

書籍の紹介一覧 B0163

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2021.07.05

ナミヤ雑貨店の奇跡/東野圭吾

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Amazon Prime Videoで観てよかったので原作を読んでみました。

複数の場所で起こった別のことがひとつの物語に収斂していくファンタジーです。

映画よりふたつの多く物語が描かれています。

ナミヤ雑貨店と児童養護施設 丸光園を軸に過去と現在をそれぞれの登場人物が問題を抱える中、素敵に絡み合っていきます。

僕は東野圭吾はガリレオシリーズくらいしか読んだことがありませんでしたが、最近、よく見るようになったAmazon Prime Videoで物語を知り、原作を読む機会が増えました。それも悪くないですね。

本ナミヤ雑貨店の奇蹟
東野圭吾(Higsshino Keigo)
角川書店/2012

書籍の紹介一覧 B0162

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2021.04.03

大滝詠一 A LONG VACATION読本 40th ANNIVERSARY /大瀧詠一

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大瀧詠一の「A LONG VACATION」リリース40周年を記念して発売された「A LONG VACATION VOX」の関連書籍です。

当然ですが「A LONG VACATION」にまつわる話やはっぴいえんど時代を含めた大瀧詠一のディスコグラフィが掲載されています。

1981年リーリースの「A LONG VACATION」が、CBSソニーのCD第1号ということを初めてこの本で知りました。僕はLPレコードで持っていて、当時まだCDプレイヤーは高くて買えなかったんじゃなかったな。

大瀧詠一自身の編集で1982年に「All About Niagara 1973-1979」、2005年にその後の情報を加えた「All About Niagara 1973-1979+α」を出しています。こちらは大瀧さん自身の編集だけあって、かなりマニアックで大瀧さんの世界が満載です。

210403
・ 左:大滝詠一 A LONG VACATION読本 40th ANNIVERSARY(2021)
・ 中:All About Niagara 1973-1979+α (2005)
・ 右:All About Niagara 1973-1979 (1982)

関連エントリー:All About Niagara 1973-1979+α/大瀧詠一 2006.02.09

本大滝詠一 A LONG VACATION読本 40th ANNIVERSARY
監修:湯浅 学(Yuasa Manabu)
別冊ステレオサウンド/2021

書籍の紹介一覧 B0161

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2021.01.13

宇宙に行くことは地球を知ること/野口聡一・矢野顕子

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この本は、現在、国際宇宙ステーション(ISS)で3回目のミッションに取り組んでいる野口聡一さんと矢野顕子さんが、ミッション前に行ったロングインタービューをまとめたものです。

宇宙飛行士本人が書いたりインタビューをまとめた本はいろいろあるけれど、この本は矢野さんの視点で質問がされ、野口さんが詳しく答えているところが面白いです。矢野さん自身宇宙関係の知識が豊富でその上で彼女の感性で質問しているところが親しみが持てます。

船外活動での死との隣り合わせの絶対的な孤独と、眼下の圧倒的な生命の星 地球の美しさは、実際に経験したことしか味わえない特殊な感覚なのでしょう。

それと、読んでいて思ったのはISSは技術も運用も徐々に民間に移っているということです。

今回、ISSまで行ったクルードラゴン1号機はスペースX社のものだし、民間の宇宙利用の始まりですね。

そしてNASAをはじめとした公は、月や火星の有人ミッションに力を入れていくことでしょう。

この本は気楽に読めて、それでいて内容が充実しているので面白いです。

本宇宙に行くことは地球を知ること -「宇宙新時代」を生きる
野口聡一(Noguchi Souichi)・矢野顕子(Yano Akiko)・取材・文:林 公代(Hayashi Kimiyoi)
光文社新書/2020

書籍の紹介一覧 B0160

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2021.01.08

地球科学入門 地球の観察 地質・地形・地球史を読み解く/平 朝彦・海洋研究開発機構

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この本は、海洋地質学や地球史が専門の平 朝彦さんと海洋及び地球に関する研究・開発をする海洋研究開発機構(JAMSTEC)が地球科学の入門書としてまとめられたものです。入門書といっても内容はかなり専門的ですが...

JAMSTECの有人潜水調査船「しんかい6500」や地球深部探査船「ちきゅう」などによって、調査された結果などが図や写真をふんだんに使って視覚的に表されています。

また、別冊のや用語解説、追加説明にQRコードによりネットなどを参照でき情報量が豊富です。

1. 地球を眺める 海洋底と大陸の大地形 2. 海底の世界 3. 地層のでき方 4. 火山の脅威 5. プレートの沈み込みと付加体の形成 6. 地質学的に見た東北地方太平洋沖地震・津波 7. 地球史と日本列島の誕生 8. 海洋・地球を調べる と、どれも興味深い8章にわかれています。

とても面白い一冊です。 

本地球科学入門 地球の観察 地質・地形・地球史を読み解く
平 朝彦(Taira Asahiko)・国立研究開発法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)
講談社/2020

書籍の紹介一覧 B0159

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