令和6年能登半島地震はこれまでに経験したことのない事象 - 地震調査委員長見解
「 令和6年能登半島地震」(2024年1月1日に石川県能登地方で発生したM7.6の地震及び2020年12月以降の一連の地震活動)について、地震調査研究推進本部の平田 直地震調査委員会長が、「これまでに経験したことのない事象」と見解を出しています。
能登半島北東南西に延びる150㎞程度の範囲で、約2年間の間にM6以上の地震が複数回起きています。
日本では、陸・沿岸地域の地震活動でこのような現象は観察されたことがなく経験したことのない事象で、今後の活動を見通すことは難しいという見解です。
能登半島沖は、プレート境界域から離れているけれど活断層が多い地域です。地震のメカニズムを解析するのが難しいのかな。
「令和6年能登半島地震」に関する「地震調査委員長見解」(抜粋)
石川県能登地方では、2020年12月から地震活動が活発になっており、活動当初は比較的規模の小さな地震が継続する中、2022年6月にM5.4の地震(最大震度6弱)、2023 年5月にM6.5の地震(最大震度6強)などの規模の大きな地震が発生し、2024年1月には、一連の活動の中で最大規模の地震であるM7.6の地震(最大震度7)が発生しました。2023年12月までの地震活動の範囲は能登半島北東部の概ね30㎞四方の範囲でしたが、M7.6 の地震の直後からの地震活動は非常に活発になり、北東南西に延びる150㎞程度の範囲に広がりました。その後、M7.6の地震の地震活動域では、時間の経過とともに活動が徐々に低下してきていますが、そのような中で2024年6月にM6.0の地震(最大震度5強)、11月にM6.6の地震(最大震度5弱)が発生するなど、引き続き規模の大きな地震が発生しています。今回の地震活動のように、数年にわたって続く上に、M7.6の地震に加えてM6.6、M6.5のようなM6クラスの規模の大きな地震が何度も発生するような陸・沿岸域の地震活動は、日本ではこれまでに観測されたことはありません。
これまでに経験したことのない事象に直面し、地震活動がいつまで続くのかなど今後の活動を見通すことは難しい状況です。能登半島周辺には海域活断層が数多く存在するなど規模の大きな地震が今後も発生する可能性が依然としてあることから、地震調査委員会としての情報発信をより強化する必要があると考えます。これまでに取り組んできた地震活動の評価に加え、「地震調査委員長見解」として、関連する情報を発信することとしました。
2025.01.15/地震調査研究推進本部 地震調査委員会
参照:「令和6年能登半島地震」に関する「地震調査委員長見解」 2025.01.15/地震調査研究推進本部 地震調査委員会 PDF 8.6MB
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