沖縄などの軽石漂着の原因となっている小笠原・福徳岡ノ場の最近の火山活動の様子を海上保安庁がプレスリリースしています。
それによると福徳岡ノ場の火山活動により出現した新島は、白波に覆われるほど縮小しているとのことです。
海上保安庁が撮影した12月27日と8月16日の写真を比べるとよくわかります。
何度も出現しては消える新島は、今回も消滅してしまうのかな。
海上保安庁海洋情報部の海域火山データベースは、福徳岡ノ場をはじめ海域火山の活動状況が写真を含め情報が満載で面白いです。

・ 南硫黄島(左)と福徳岡ノ場の新島(右) 2021.12.27/海上保安庁撮影

・白波に覆われる新島の様子2021.12.27/海上保安庁撮影
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・ 南硫黄島(左)と福徳岡ノ場の新島(右) 2021.08.16/海上保安庁撮影

・ 新島の状況 2021.08.16/海上保安庁撮影
資料:海域火山データベース 福徳岡ノ場/海上保安庁海洋情報部
福徳岡ノ場の火山活動について(12月27日観測)PDF 366KB
1.状況
12月27日、第三管区海上保安本部羽田航空基地所属航空機により観測を実施しました。主な観測結果は以下のとおりです。
[観測結果]
・新 島:12月14日の観測結果と比較し、新島は縮小しており、波浪により陸地が見え隠れしている状況であった。
・活 動:観測中の噴火は認められなかった。
・変 色 水:新島の東側から茶褐色の変色水の湧出を認め、同位置から東側約5㎞にかけて黄緑色の変色水の分布を認めた。福徳岡ノ場の東約5㎞付近に長さ約 400m 弱の軽石と思われる
筋状の浮遊物を認めた。
2.東京工業大学理学院火山流体研究センター 野上健治教授(航空機同乗)のコメントは以下のとおりです。
福徳岡ノ場の8月の噴火で形成された陸地は波浪によって消滅しつつある。一方、噴火地点から変色水域が現在も比較的に広範囲に広がっており、熱活動は活発に継続している。南硫黄島の海岸のほぼ全周にも変色水域があり、福徳岡ノ場を含めた海域の活動を注視する必要がある。
2021.12.28/海上保安庁
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