「カンテラ日記」を手に入れました
中古本で「カンテラ日記」を手に入れました。
・ カンテラ日記 富士山測候所の五〇年/中島 博/筑摩書房 1985年
以前、気象庁富士山測候所の職員が68年間つづった40冊以上の「カンテラ日誌」が廃棄処分されたニュースを知った時、無性にその抜粋である「カンテラ日記」を読みたくなりました。
ただ、その時は「カンテラ日記」は絶版になっており中古本も見つけることができず、静岡市立図書館で借りて読みました。
最近、中古本で見つけたのでとうしても手元に置きたく購入しました。
「カンテラ日記」は「カンテラ日誌」の極一部の抜粋ですが、1937年から’80年までの富士山測候所職員の時に殉職者を出す壮絶な日常と富士山山頂で気象観測することの誇りや喜びが書かれています。
さすがに科学者でも研究者でも技術者でもある職員の記述だけあって、どこか冷静で淡々としたところがあり、逆にそれだからこそその時の気持ちがわかるように思います。
たとえば、
昭和一九年六月十八日
リスを一匹捕まえた。
59ページ昭和二十年七月六日
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二三時、関東海面警戒警報にはじまり、数機ずつ、B29が本土に侵入。甲府、清水、千葉などの中都市を焼夷弾攻撃をしてきた。濃霧のすきまから甲府の炎上する火がかすかに見えた。
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78ページ昭和二一年十二月二一日
今日四時二〇分ころ、震度三の地震があって、一同驚いて起床。下界の安否を気づかう。ラジオによると、震源は潮岬東方四〇キロ。関西方面に被害甚大という。
91ページ昭和二二年四月二七日
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われわれは科学者である。自然と戦い自然とともにくちはてても悔いはない。しかし、自然を探求するために、自然以外のものの奴隷と化したくはない。
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107ページ
こんな感じです。
このすごい本がちくま少年図書館の一冊で子ども向けとは驚きです。
関連エントリー
・カンテラ日記/中島 博 2018.09.07
・ 富士山測候所「カンテラ日誌」が廃棄された 悲しいニュースです せめて単行本「カンテラ日記」を復刻できないものか 2018.08.15
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