血液O型は新型コロナウイルスに強い?
血液型によって、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染率や重症化に違いがあると欧州や米国での結果をMSNや日本経済新聞が報じていました。
NSNが報じるオスロ大学病院などの4,000人を超える感染者の研究結果では、A型は他の血液型に比べ重症化するリスクが45%高く、O型は35%低い可能性があるとのこと。
一方、日本経済新聞が報じる米国の23アンドミーの75万人の参加者の調査結果では、O型の感染率が他の血液型に比べ9~18%低いとのことです。
いずれも、相当数の件数を調査しているので、血液型による新型コロナウイルスの感受性の違いはあるのかもしれません。
以前、紹介した藤田紘一郎さんの「血液型の科学」では、免疫から見た血液型と細菌に対する感受性の違いが書かれていました。
それは、A型とB型の血液型物質は細菌の時代から存在していて、人間は細菌の多くと共生関係にあり、その中でA型やB型の血液型物質が人間取り込まれたのではという話です。
もともと人間はO型で、A型やB型の細菌の攻撃を受けると抗原抗体反応による防御をしていたのだけど、A型やB型を取り込んだ時点で、自分自身に抗原・抗体反応を起さないようにA型は抗A抗体、B型は抗B抗体を持つようになったのではないか。そして、血液型別に感染症などに対する免疫力の違いが出たのではないかという考え方です。
果たして、この考えが一般的なのか、さらにはウイルスまで適用されるのかはわかりませんが、新型コロナウイルスの感受性が血液型による違いがあるとすれば、それはそれで興味深い話です。
新型コロナ感染、血液A型は重症化リスク高い可能性=研究
[18日 ロイター] - 新型コロナウイルスへの感染や症状の重度が患者の血液型や遺伝因子に関係する可能性が、18日公表された研究結果で示された。A型では新型コロナ感染リスクだけでなく、症状が重症化するリスクも高いという。
研究は欧州の研究者グループが欧州の新型コロナ流行のピーク時に4000人超の遺伝子を分析し、感染者や重症化した患者の関連性を探った。A型の患者では重症化するリスクが他の血液型に比べ45%高いことが分かった。一方、O型の患者は35%低い可能性があるという。
研究を率いたノルウェーオスロ大学病院のトム・カールセン氏は、一段の研究が必要としつつも、「なぜ一部の人が重症化するかを巡る特定の手掛かりとなる」と語った。
2020.06.19/MSNニュース
新型コロナの感染率、血液O型「9~18%低い」 米調査
米遺伝子検査大手の23アンドミーは9日、新型コロナウイルスへの感染と血液型の関係について調査結果を発表した。75万人の参加者のデータを血液型別に比べたところ、O型で感染率が他の血液型と比べ9~18%低かった。他の血液型では感染率に統計的な差は見られなかった。今後、より多くのデータを集めて調査を進めるとしている。
調査参加者のうち、新型コロナ感染検査で陽性が確認された人の割合はB型とAB型が1.5%、A型が1.4%、O型が1.3%で、O型の感染率は他の血液型に比べ9~18%低かった。
医療関係者など感染リスクが高いグループについて感染率を調べると、O型の感染率は他の血液型より13~26%低く、O型の感染しにくさがより際立つ結果となった。
いずれの血液型とも、Rhプラス・マイナスでは感染率に差が見られなかった。また、年齢や性別、基礎疾患の有無などの調整後も、O型の感染率が低い傾向にかわりなかった。
新型コロナウイルスは感染者の症状に大きな幅があり、なぜ一部の人が重症化したり死亡したりするのかについて、遺伝子や血液型との関連性を探る研究が各国で進められている。中国の調査ではA型が比較的高リスク、O型が低リスクという結果が出ていた。
23アンドミーは5月、新型コロナ感染や入院歴を持つ1万人を対象に、遺伝型と症状の種類や重症化の関係を探る研究を始めた。
2020.06.10/日本経済新聞
関連エントリー:血液型の科学/藤田紘一郎 2010.03.02
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