地球深部探査船「ちきゅう」の一般公開に行きました その2 - 研究施設としての「ちきゅう」
「ちきゅう」は海底の掘削を行うとともに、サンプリングしたコアを船内で分析する研究施設があります。
地質の状況に応じて複数の掘削刃(ビット)を使い、使用はコアバレルと呼ばれる円筒形の筒の中に収められます。
このコアを1.5mに切断し、船内の研究室で物理性や微生物、地磁気などの分析がされます。
・ コアバレル - 円筒形の筒の中にサンプリングしたコアが入っており、1.5mに切断される
・ 掘削刃(ビット) - 状況に応じて複数のビットを使い分けて掘削する
・ X線CTスキャナー - 非破壊でコアの割れ目や空隙、密度構造を迅速に調べることができる
室内には、東日本大震災の原因となった太平洋プレートが北米プレート、東南海地震の原因とされるフィリピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込む位置のコアのレプリカが展示されていました。
・ 東北地方太平洋沖 プレート境界断層のレプリカ 水深6,900m 海底下820m
・ 南海トラフの断面 - 音波を使って得られた南海トラフの断面
・ 紀伊半島南西沖・南海トラフ 堆積岩(上)と基盤岩の境界のレプリカ 水深3,500m 海底下540m
両方とも明らかに違った地質の石が隣り合っており、これがすべり(スロースリップ)はじめ巨大地震が発生すると思うと、レプリカといえゾッとします。
「ちきゅう」は、外観も面白いけれど研究内容はもっと面白い船です。
関連エントリー:地球深部探査船「ちきゅう」の一般公開に行きました その1 - 船としての「ちきゅう」 2019.12.09
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