フォッサマグナ/藤岡換太郎
静岡には、日本列島を東西に分断する糸魚川静岡構造線と西日本を南北に分断する中央構造線のふたつの大地溝が走っていいます。
そして糸魚川静岡構造線は、フォッサマグナの西の縁にあたります。
ブルーバックスの「フォッサマグナ」は、タイトルどおりフォッサマグナについての一般向けの解説書ですが、日本列島を構成する重要な地溝にもかかわらずよくわかっていないことが多いのですね。
僕は単純に北米プレートにのった東日本とユーラシアプレートにのった西日本とに海で分断された日本列島に、南からフィリピン海プレートがぶつかってできたのがフォッサマグナだと思っていました。
「フォッサマグナ」を読むと、単純なものではなくフォッサマグナ自体も北と南では地質的に違いがあり、成り立ちが違っているようです。
また、フォッサマグナの深さも6000mまでは分かっているけれど、それ以上はよく分かっていないらしいです。
さらに中央構造線はフォッサマグナの下にあり関東まで伸びているとか、とても複雑な構造をしているみたい。
日本列島を構成する重要なフォッサマグナがよく分かっていないことに、日本列島の成り立ちの特殊性を感じます。
この本は、身近にあるけれどほとんど静岡では姿を見せないフォッサマグナを考えるいい機会になりました。
フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体
藤岡換太郎 (Fujioka Kantaro)/講談社(ブルーバックス)/2018
・ 書籍の紹介一覧 B0153
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