« 今日も暑い静岡ですがヒガンバナはつぼみがふくらんでいます | トップページ | そういえば、計画停電を経験しました »

2018.09.10

豚コレラの病原体はウイルスなんですね

岐阜の養豚場で26年ぶりに発生した豚コレラは、迅速な防疫措置が行われているそうです。
恐らく海外から何らかの形で病原体が持ち込まれたのだろうけど、感染が拡大しないといいですね。

ところで「豚コレラ」は名前からヒトのコレラを連想するけれど、「豚コレラ」はRNAウイルス、ヒトの「コレラ」は細菌と全然別物なんです。
消化器系にもダメージを与えるからコレラという名前がついたのだろうか?

そんなわけで「豚コレラ」はブタやイノシシの感染症でヒトには感染しないそうです。

豚コレラ
豚コレラ(Classical swine fever)解説 (社)全国家畜畜産物衛生指導協会パンフレット(2006)より
動物衛生研究所 動物疾病対策センター 知的基盤管理室長 山田俊治
病原体
豚コレラウイルスは豚及びいのししを宿主とし、反芻動物を宿主とするBVDウイルスや羊のボーダー病(BD)ウイルスと同じペスチウイルス属の仲間であって、大きくは日本脳炎ウイルスやウェストナイルウイルスなどと同じフラビウイルス科に属している(図表略)。よって、遺伝子として一本鎖(+)RNAを有し、増殖の際、遺伝子から一つの大きな複合蛋白質(ポリプロテイン)が合成され、タンパク質分解酵素によって複数の蛋白質に分断されてそれぞれの役目を果たす蛋白質が作られる(図略)。
豚コレラ 病原体/国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究部門
コレラとは
(IDWR 2000年第1号)
コレラは代表的な経口感染症の1 つで、コレラ菌(Vibrio cholerae O1 およびO139 のうちコレラ毒素産生性の菌)で汚染された水や食物を摂取することによって感染する。経口摂取後、胃の酸性環境で死滅しなかった菌が、小腸下部に達し、定着・増殖し、感染局所で菌が産生したコレラ毒素が細胞内に侵入して病態を引き起こす。
病原体
コレラ菌の学名はVibrio cholerae である。分類学的にV.cholerae は菌体表面のO 抗原(リポ多糖体)の違いによって、現在205 種類(11種類は未発表)に分類されている。このうち、コレラを起こすのはO1 およびO139 血清型のみである。コレラの典型的な臨床症状を起こすのはコレラ毒素であることがわかっているので、厳密にいうと、コレラの原因菌はコレラ毒素を産生するV.cholerae O1 およびO139 である。
コレラとは/国立感染症研究所

引用文岐阜で豚コレラ=国内で26年ぶり、殺処分 農林水産省は9日、岐阜市の養豚場で家畜伝染病の「豚コレラ」に感染した豚が見つかったと発表した。岐阜県はこの養豚場で飼育されていた約600頭を10日早朝までに殺処分した。国内で豚コレラが確認されたのは1992年12月の熊本県以来、26年ぶり。 豚コレラは豚やイノシシが感染する病気。人に感染することはなく、感染した豚の肉を食べても影響はない。 ----- 家畜伝染病は原因の特定が難しいケースが多い。農水省は同日、専門家や学識経験者から成る調査チームを派遣。現地で関係者へのヒアリングなどを行った上、近く会議を開き、感染経路の究明を進める。 2018/09/10/時事通信

|

« 今日も暑い静岡ですがヒガンバナはつぼみがふくらんでいます | トップページ | そういえば、計画停電を経験しました »

ニュース」カテゴリの記事

ウイルス、細菌、微生物」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 豚コレラの病原体はウイルスなんですね:

« 今日も暑い静岡ですがヒガンバナはつぼみがふくらんでいます | トップページ | そういえば、計画停電を経験しました »