小澤征爾さんと、音楽について話をする/村上春樹 小澤征爾
発売当初に購入したもののずいぶん長い間積んでおいて、ようやく読み終えました。
なんでもっと早く読まなかったんだと思うほど面白かった。
「小澤征爾さんと、音楽について話をする」は、2010年冬から'11年夏にかけて療養中の小沢征爾に対する6回にわたる村上春樹のロングインタビューをまとめたものです。
小沢があとがきに「音楽好きの友人はたくさん居るけれど、春樹さんはまあ云ってみれば、正気の範囲をはるかに越えている。」と記すように、村上の豊富でマニアックな知識と感性で行うインタビューは、長期療養中の小沢を刺激したようで、実に興味深く面白く読めます。
インタビューというより小沢と村上の対話です。
バーンスタイン、カラヤン、ボストン、サイトウ・キネン..... 小澤が深く関わった指揮者、演奏家、オーケストラをとおして、小澤の音楽が語られます。
特に面白かったのはマーラーについての対談です。
マーラーの交響曲は、様々なものが一緒に出てくる脈絡のなさというか、難しく聴くのに骨が折れます。そんなわけで、僕は何枚かマーラーのCDやLPを持っていますが、ずいぶん久しく聴いていません。
小澤は楽譜を深く深く読み込むそうです。そして、自らの思いよりも音楽を音楽として捉えているのだと。
そうかと思い、このところマーラーを聴くようになりました。
また、この本の中で語られた楽曲について3枚組のCDが出ていて、あわせて聴くととても興味深いです。
音楽について村上は他にも書いているし、彼の小説中にも描かれていますが、村上の文章は音楽を聴ききたくなります。
・ 「小澤征爾さんと、音楽について話をする」と「『小澤征爾さんと、音楽について話をする』で聴いたクラシック」
小澤征爾さんと、音楽について話をする
村上春樹 (Murakami Haruki) 小澤征爾 (Ozawa Seiji)/新潮社/2011
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