駿河湾海低下の地震活動を直接観測しているんですね その2
先日、ふじのくに防災学講座「陸上では捉えられない駿河湾海底下の地震活動の観測について」(講師:東海大学海洋学部海洋地球科学科 准教授 馬場久紀)を聴いてきたことを書きました。
今回はその続きです。
・ 「陸上では捉えられない駿河湾海底下の地震活動の観測について」資料
日本列島は東日本は北米プレート、西日本はユーラシアプレートの上にのっています。そして、北米プレートに太平洋プレートが8cm/年、ユーラシアプレートにフィリピン海プレートが3~5cm、太平洋で沈み込んでいます。
駿河湾は、陸側のユーラシアプレートにフィリピン海プレートが沈み込み、最深2500mmの深い駿河トラフを形成しています。ちなみに伊豆半島によって隔てられた東側の相模湾は、フィリピン海プレートが陸側の北米プレートに沈み込み、最深1500mmの相模トラフがあります。
もともと駿河湾と相模湾はひとつの海で、フィリピン海プレートにのって移動した伊豆半島が陸側のプレートにぶつかってふたつの湾に分けられたというからダイナミックな話です。
今回の講座は、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込んだ海底の台地となっている石花海(せのうみ)付近に海底地震系を設置し、地震活動の観測状況です。
東海地震の震源域といわれる駿河湾内にこれまでは地震計がなく、地上の複数の地震計で駿河湾内を震源域とする地震の観測をしていました。それを、直接震源域の海底に地震計4器で観測をしたというものです。
そのデータからは、陸上の地震計では捉えられない微細な振動も観測できることや、陸上の地震計から推定した震央よりも南東に、震源の深さは浅くなるということがわかってきたそうです。
ただ、現状では地震計を海底に沈め3ヶ月程度データーを測定し、その後引き上げて解析するので、リアルタイムの観測でないことが残念です。
駿河トラフとそれに続く南海トラフのプレート境界域で起こる地震は震源が海底なので、海底にも多くの観測点が設けられるといいと感じました。
それと、冒頭に4月に発生した熊本地震の話がありました。熊本地震は、関東-中部-近畿-四国-九州と走る長大な断層 中央構造線の日奈久断層帯で起こった断層型の地震だけど、日本列島は断層だらけで、プレート型地震とともにどこで起きても不思議ではないね。
関連エントリー:駿河湾海底下の地震活動を直接観測しているんですね その1 2016.09.19
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