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2016.02.02

エボラウイルスの次はジカウイルスですか

人類の歴史は感染症との闘いの歴史でもあるので仕方のないことかもしれないけれど、エボラ出血熱が収束した思ったら今度はジカ熱ですか。
世界保健機関(WHO)のチャン事務局長が、2月1日に感染症「ジカ熱」に関し、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。

関連:WHO Director-General summarizes the outcome of the Emergency Committee on Zika (2016.02.01)/WHO

中南米に発生しているジカ熱は、まだ科学的な証明はされていませんが、妊婦のジカウイルスの感染と新生児の小頭症の発症の因果関係が強く、またワクチンのないことや免疫を持っていない国への拡大が懸念されることから、WHOは緊急宣言をしたようです。

ジカウイルスの不顕性感染率は約80%とされているから、感染の自覚のないまま日本に持ち込まれ、在来のカによって伝播され広がる可能性があるのかな?
一般には発病しても症状は重くないようだけど、妊娠中の感染には新生児の小頭症の関連で注意が必要ですね。

参照:ジカ熱とは/国立感染症研究所

引用文感染症の話 ジカ熱とは
病原体と媒介蚊
ジカウイルスは、デングウイルスと同じフラビウイルス科フラビウイルス属のウイルスである。デングウイルスのように4つの血清型があるわけではなく、単一血清型である。媒介蚊はヤブカ(Aedes)属のAe. aegypti(ネッタイシマカ)、Ae. Africanus、Ae. hensilli、Ae.polynesiensis、Ae.albopictus(ヒトスジシマカ)が媒介蚊として確認されている。ヤップ島での流行ではAe.hensilliが、フランス領ポリネシアでの流行では Ae.polynesiensisとAe.aegyptiがそれぞれ媒介蚊と考えられている。日本に生息するヒトスジシマカ(Ae.Albopictus)も媒介可能である。
臨床症状・徴候
潜伏期間は3~12日である。不顕性感染率は約80%とされている。過去の流行では詳細な症状の解析が少ない。2007年のミクロネシア連邦(ヤップ島)の流行では、発熱(38.5℃を超える高熱は比較的稀)、斑状丘疹性発疹、関節痛・関節炎、結膜充血が半数以上の症例に認め
られ、筋肉痛・頭痛(45%)、後眼窩痛(39%)というものであった。その他にめまい、下痢、腹痛、嘔吐、便秘、食欲不振などをきたす場合もある。しかし、ポリネシア連邦やブラジルの流行では、ギラン・バレー症候群や神経症状を認める症例が報告され、ブラジルでは妊婦がジカウイルスに感染することで胎児が感染し、小頭症児が多発している。胎児が小頭症と確認された妊婦の羊水からジカウイルスRNAが検出され、小頭症で死亡した新生児の脳の病理組織からもウイルスが検出されている。ジカ熱そのもので健康な成人が死に至ることは稀であるが、基礎疾患があり免疫力が低下している場合は死に至ることもある。
病原診断
デング熱と比べて軽症である。通常は4~7日間症状が持続する。
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治療・予防
痛みや発熱に対して解熱鎮痛剤を投与する程度にとどまることがほとんどである。脱水症状が強い場合は輸液も実施する。予防に関しては、日中に蚊(ヤブカ)に刺されない工夫が重要である。具体的には、長袖服・長ズボンの着用、昆虫忌避剤(DEETを含むものが効果が高い)の使用などである。また、妊婦あるいは妊娠の可能性のある女性はジカ熱流行地への渡航を避けることが望ましい。
2016/02/02現在/国立感染症研究所 感染症疫学センター

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