太陽系第9惑星の可能性を発表したマイク・ブラウンさんは、冥王星が惑星から降格した発端になった人だよね
米国カリフォルニア工科大学のチームが、太陽系第9惑星の存在の可能性について発表したと、時事通信が報じていました。
太陽系の外縁のカイパーベルトにある6個の天体の公転スピードから別の大きな天体の存在を予測したのことです。
これは、天王星の軌道が他の重力の影響を受けていることから海王星が発見された経緯に似ていますね。
第9惑星といえば、2006年に準惑星に降格?された冥王星があります。
当時、冥王星より少し大きく後にエリスと呼ばれる天体が発見され第10惑星として期待されました。ただ、同時期に冥王星級の天体が次々に発見され、エリスを惑星とすると他の多くの天体が惑星になるため、惑星の中でも一番小さな水星の体積の1/10しかない冥王星を準惑星にすることに落ち着き、太陽系の惑星は8個となりました。
今回、存在が予測される天体は地球の質量の10倍程度あるというから、発見されれば太陽系の第9惑星になりますね。
位置は太陽系外縁部のカイパーベルトにあり、公転周期は1~2万年!太陽系といえどもわからないことが満載です。
そして、今回、コンスタンティン・バティギンさんとともに発表したマイク・ブラウンさんは、エリスを発見し、結果として冥王星が準惑星となる発端となった研究者です。
以前、このブログで紹介した彼の著作「冥王星を殺したのは私です」はとても面白いノンフィクションでした。
・ 冥王星を殺したのは私です (How I Killed Pluto and Why It Had It Coming)/Mike Brown/梶山あゆみ (Kajiyama Ayumi)(訳)/飛鳥新社 (ポピュラーサイエンス)/2012
冥王星がはずれ太陽系の惑星が9個から8個になり、今回予測した天体が確認され9番目の惑星となれば、また面白い物語が書けそうですね。
それにしてもハッブル宇宙望遠鏡をはじめとする高性能な観測機器がある中で、ある程度の大きさの天体がこれまで何故発見されなかったのだろ?
太陽から遠く離れ相当に暗い天体なのでしょうね。それとも、太陽の光を透過したり吸収したりする見えない天体だったりして ^^; ワクワクします。
太陽系に第9惑星存在か=質量地球の10倍―米大研究チーム
米カリフォルニア工科大は20日、同大の研究チームが太陽系で地球から最も遠い惑星、海王星からさらに離れた所に、地球の約10倍の質量を持つ巨大な惑星が存在する可能性を示す証拠を発見したと発表した。観測により直接確認されれば、太陽系9番目の惑星となる。
発見したのは地質・惑星科学部のコンスタンティン・バティギン助教(惑星科学)とマイク・ブラウン教授(惑星天文学)。小天体が円盤状に広がる「カイパーベルト」と呼ばれる太陽系外縁領域で、六つの小天体が描く特徴的な軌道を分析した結果、それらの軌道に影響を与えている惑星が存在している可能性が導き出された。
「第9惑星」はガス状と考えられ、太陽との平均距離は太陽~海王星間の約20倍。極端な楕円(だえん)軌道を描いているとされる。太陽を1周する公転周期は1万~2万年と推定される。
太陽系外縁には、かつて第9惑星と位置付けられていた冥王星がある。冥王星は直径が月よりも小さく、2006年の国際天文学連合(IAU)総会で、惑星の定義から外れ、新設の「準惑星」に分類された。今回の「第9惑星」は冥王星の5000倍の質量を持つと考えられるという。
2016/01/21/時事通信
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