私説 ミジンコ大全/坂田 明
20年以上も前、静岡市内の短期大学の市民向けの公開講座で、坂田 明のミジンコをテーマにした公開講座がありました。
坂田は日本を代表するジャズマンです。僕は、彼がミジンコに造詣深いことを知ってはいましたが、きっとジャズとの関連で講演するものと思い、興味をもって聞きにいきました。
果たして予想に反して、講演は生物としてのミジンコについてであって、かなり本格的な内容で面白く聴講したのを憶えています。
「私説 ミジンコ大全」は、長年の坂田のミジンコの観察・研究の成果をまとめた本です。
最初に坂田とミジンコの出会い、ミジンコとは何か、その生態などが書かれていて、ミジンコを知る入門書としてもよいかも知れません。
また、彼自身が撮った多くのミジンコのとても美しい顕微鏡写真が掲載されています。
さらに後半は、坂田と陸水生態、海洋ミジンコ、分子生物のそれぞれの分野の研究者との対談になっています。
対談の内容が専門的で、生物好きには十分楽しめます。
坂田 明は広島大学水産学部の出身で、もともと生物の観察とその存在の意味を考えるのが好きだったんだと納得させられる一冊です。
ところで、この本には「海」というタイトルのCDが付属しています。
付録にしておくにはもったいないすばらし演奏で、このCDについては改めて書きたいと思います。
私説 ミジンコ大全 - 人間とミジンコがつながる世界認識 -
坂田 明 (Sakata Akira) /晶文社/2013
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