「銀河鉄道の夜」を旅してみる
姫路科学館のプラネタリウムで黒田官兵衛の誕生日の夜空を再現しているそうです。読売新聞が報じています。
これって面白いね。
それで僕もステラナビゲータで、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」で描かれるジョバンニとカンパネルラの北十字(はくちょう座)から南十字(みなみじゅうじ座)の旅を再現してみました。
シミュレートする年月日はいつにするのか?
「銀河鉄道の夜」は世に出るまで何度も書き直されています。とりあえず初稿が書かれたといわれる1924年としてみました。
日付は、星祭りの夜となっているのでペルセウス座流星群が極大を迎えたであろう8月13日とし、時間は白鳥の停車場に着く23時としました。
下の図はステラナビゲータで1924年8月13日 23時頃の岩手・花巻の空をシミュレートしたものです。
天頂近くにはくちょう座があって、天の川を南に下ったところにわし座があります。この時期はさそり座は見えず、みなみじゅうじ座は日本からは見えません。
・ ステラナビゲータ Ver.9によるシミュレーション
ジョバンニが銀河鉄道に乗ったのに気がついたのが銀河ステーションの辺りです。銀河ステーションは、天頂近くにあるはくちょう座のどこかにあるのでしょう。
そして最初に途中下車したのが白鳥の停車場です。
銀河鉄道は、白鳥の停車場からハクチョウのくちばしのアルビレオの観測所を経て、天の川を南下し鷲の停車場に向かいます。
・ ステラナビゲータ Ver.9によるシミュレーション
2時きっかりに着く小さな停車場で聞こえる新世界交響楽は、きっとドヴォルザークの交響曲第9番第2楽章なんだろうね。
次にでてくる双子の星って何だろうか。ふたご座のカストルとポルックスがあたまに浮かぶけれどふたご座は天の川の逆の方向だし。すぐ後に蠍の火、さそり座のアンタレスの話があるからさそり座の恒星のどれかだろうか。
・ ステラナビゲータ Ver.9によるシミュレーション
さそり座を経てさらに天の川を南下し、南十字、みなみじゅうじ座でジョバンニはカンパネルラと別れ、現実の世界に戻ります。
・ ステラナビゲータ Ver.9によるシミュレーション
「銀河鉄道の夜」はこの後の話がせつなないです。
官兵衛誕生日の星空再現「戦乱」想起の火星輝く
名参謀が見たかもしれない星空とは――。
姫路科学館(兵庫県姫路市青山)は、姫路ゆかりの戦国武将・黒田官兵衛(1546~1604)が生きた戦国時代の星空を、ドーム型スクリーン(直径27メートル)を備えたプラネタリウムで再現するショーを始めた。今年いっぱい続ける予定で、歴史上の出来事の時期と絡めながら、紹介する星空も変えていく。同館は「星空を眺めながら、官兵衛の時代に思いをはせて、楽しんでほしい」としている。
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1月は、官兵衛が誕生した1546年12月22日午後7時頃の姫路の星空に焦点をあてた。星座を形作る恒星の並びは当時とほとんど変わっていないといい、南西の空の低い位置に「宵の明星」として名高い金星がひときわ明るく輝き、空高くにはオレンジ色の火星も明るい光を放っていたという。また、南東の空には、星の並ぶ形から鼓星(つつみぼし)と呼ばれていたオリオン座が昇ってきている。
2014/01/26/読売新聞
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