パンデミック・アラートの基準の変更をWHOが検討
WHOがパンデミック・アラートのフェーズを現行の6段階から3段階に簡素化する方向で検討していることを時事通信が報じていました。
これまではウイルスが動物に感染しているがヒトには感染していない状態を2段階、ヒトからヒトへの感染が起こっている状態を3段階、さらにヒトの間で感染爆発が起こっている状態と6段階で表していました。
2009年~'10年に発生したインフルエンザ パンデミック H1N1 2009は世界中で感染が広がり、WHOはアラートのフェーズを6(感染爆発)としました。
関連エントリー:インフルエンザ・パンデミック・アラートがフェーズ6に (2009.06.12)
ただ、パンデミック H1N1 2009は伝播力は大きかったものの病原性はそれほど高くないウイルスでした。
大流行して大騒ぎになったけれど、季節性のインフルエンザとあまり変わらなかったということですね。
そこで今回の見直しで、感染が発生しない「平常」、ヒトへの感染が確認された「警戒段階」、深刻な症状を伴う感染者が世界的に広がる「パンデミック」の3段階に簡素化するそうです。
ちなみに現在中国でヒトで感染がある鳥インフルエンザ H9N7は、検討中の基準では「警戒段階」になるそうです。
インフル警戒の定義改定=09年の混乱反省、3段階に―WHO
世界保健機関(WHO)は10日、インフルエンザ感染に関する警戒レベルの新定義を公表した。地域的な感染が広がれば警戒段階がどんどん上がってしまう現行6段階の基準を改め、症状の重さなど「危険度」も重視する体制に改める。
2009年に大流行した新型インフルエンザ(H1N1型)では、地域ごとに感染者の重篤度に違いがあった。しかし、WHOは感染地域の面積的な拡大を受けて、世界的大流行を示す「パンデミック」を宣言、混乱を招いた。この反省を踏まえ専門家が見直しを進めてきた。
新定義では、患者の症状や、動物から人、または人から人に感染するスピード、広がり具合なども考慮。ウイルス感染が発生しない「平常」、新型ウイルスの人への感染が確認された「警戒段階」、深刻な症状を伴う感染者が世界的に広がる「パンデミック」の3段階に簡素化する。
WHOのハーパー特別顧問は10日、記者会見し、8月末まで各国の意見を集め定義を最終的に決めると説明。また中国で相次ぐH7N9型鳥インフルエンザ、中東呼吸器症候群(MERS)は共に新定義では「警戒段階」と説明した。
2013/06/11/時事通信
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