カッコウはコンピュータに卵を産む/クリフォード・ストール
最近、大阪と三重で起こった第三者による遠隔操作の事件のニュースを聞いた時、10年以上前に読んだクリフォード・ストールの「カッコウはコンピュータに卵を産む」を思い出しました。
勿論、1990年代と今とではインターネットの状況は変わっていて事件の性質も違っていると思いますが、第三者のPCを踏み台にする点は変わらないんだと思いました。
「カッコウはコンピュータに卵を産む」は、もともと天文学者のストールが経験した実話に基づいて書かれたハッカー小説のはしりかな。
物語は研究所のインターネットの接続課金が75セント合わないことに端を発します。その原因を探っているうちに研究所のPCが何処かから侵入され政府機関にアクセスされていることに気づきます。
誰が侵入したのかそれをつきとめるため物語はテンポよく進み、政府機関を巻き込み国際的に展開していきます。
専門的技術的なところもありますがかえってそれが話にリアリティーを持たせ、ユーモアを交えた語り口は親しみをわかせます。
果たして犯人は? ミステリーのネタバレになってしまうので書きませんが、インターネット時代ならではの面白い結末です。
当時よりインターネットは深く僕らの生活に入り込んでいるしインフラの一部にもなっているから、現代におけるハッカー小説はもう少し違ったものになるのかな。
カッコウはコンピュータに卵を産む 上・下 (Trackinga Spy Through tle Maze of Computer Espionage)
Clifford Stoll/池 央耿(Ike Hiroaki)(訳)/草思社/1991
・ 書籍の紹介一覧 B0128
社説:PC乗っ取り 捜査の過ち繰り返すな
ネット上で犯罪予告を書き込んだとして逮捕された大阪府と三重県の男性2人は誤認逮捕だった可能性が濃厚だ。
パソコン(PC)が新種ウイルスに感染し、乗っ取った第三者が遠隔操作していた疑いが強い。
大阪のケースでは、海外のサーバーを経由して遠隔操作されており、犯罪予告の書き込み後に、ウイルスファイルやアクセス履歴がPCから消去されていた。三重県警の捜査でファイル名が分かり、その情報をもとに大阪府警が解析し直して感染の痕跡が確認されたという。
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所有者が知らないうちにPCを遠隔操作させるウイルスは世界で1日に十数万種類も生まれ、対策ソフトで排除できるのは一部とされる。
2012/10/12/毎日新聞
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