蝶と蛾の違い
蝶と蛾という分け方があるけれど、蝶も蛾も鱗翅目に属する昆虫で明確な区分はないと言われています。
ただ、日常生活では蝶と蛾って区別され、どちらかといえば蝶は好かれ、蛾は嫌われる傾向にあるのかな。いや、好かれる鱗翅目が蝶で嫌われる鱗翅目を蛾と呼ぶのかもしれないけれど。
下の写真は同じシジミチョウ科の左がベニシジミ、右がウラギンシジミです。
同じジジミチョウでも、オレンジに黒い点のオシャレなベニシジミは蝶、どっぷりした胸・腹部、薄茶色のウラギンシジミはモスラ、蛾だものね。
ただ、ウラギンシジミの翅に入った白い模様(翅の裏側は真っ白!)は個人的にはオシャレだと思うけれど‥
・ 左:ベニシジミ 右:ウラギンシジミ ☆詳しくはこちらへ。
チョウとガを分ける便宜的な基準として、
・ チョウは翅を閉じて止まるが、ガは開いて止まる
・ チョウの触覚は先端が棍棒状、ガは真っ直ぐだったり櫛状
・ チョウは模様や色が派手、ガは模様が単純、色は茶系で地味
・ チョウは前翅と後翅をつなぐ翅棘がないが、ガにはある
・ チョウはよく動くが、ガは止まっていることが多い
・ チョウは昼間行動し、ガは夜行動する
などがあります。
でも、これらの基準はそれぞれに例外があって、結局チョウとガの科学的な区分はないということみたいです。
ただ、チョウは昼行性でガは夜行性という区分けは面白いと思います。
昼行性の鱗翅目の成虫にとって最大の天敵は鳥かな。
鳥が嫌がる模様や色をした種が結果的に残ってチョウのグループを形成したとか。
下の写真は住宅街でよく見かけるチョウのツマグロヒョウモンの雌成虫で、前翅の端が黒くなっているのが特徴です。これは体内に毒をもつカバマダラに擬態し鳥などの天敵から身を守るためと言われています。(ツマグロヒョウモンには毒はありません。)
・ ツマグロヒョウモン ☆詳しくはこちらへ。
一方、夜行性の鱗翅目の成虫にとっての最大の天敵はコウモリかな?
超音波を使って位置を把握するコウモリから逃れるにはじっとしているのが一番なのかもしれません。
下の写真は幼虫がチャの害虫のチャノコカクモンハマキの雌成虫です。
いかにも地味です ^^;
・ チャノコカクモンハマキ ☆詳しくはこちらへ。
もともと鱗翅目の昆虫は夜行性のガだったという説があって、何らかの理由で昼に進出する種が出てきたと。
その中でうまく淘汰から逃れたのがチョウなのか。
まぁ、人間の都合で蝶だ蛾に分けられて好きだ嫌いだってのは勝手な話だけどね。
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