大局観 ‼ 人間 vs コンピュータ
米長永世棋聖とコンピュータソフト 「ボンクラーズ」が対局して、ボンクラーズが勝利したことを毎日新聞が報じていました。
今夜、NHK 総合の中部地方番組 ナビゲーションでこの対局の特集を放送していました。
勝敗云々というよりも将棋に対する人間とコンピュータの思考の違いについて語られ面白かったです。
優秀な棋士は将棋の一手を全体の流れの中で指すそうです。番組ではこのことを「大局観」と言っていました。
それに対しコンピュータは、その時々の一手を全て検討しもっとも有効な手を指す、たぶん過去の膨大な対局のデータも加味するにしても、点としての指し方なんだろうな。
将棋は駒の動かし方がわかる程度で、指し手の奥深さや醍醐味はわかりません。
それでも前半、米長永世棋聖が将棋を有利に進めボンクラーズは苦戦しているように見えました。
ところが、米長永世棋聖が攻め(冒険?)に踏み込んだ時から形勢は変わったみたいです。
きっと、場合の数が膨大な将棋であっても今のコンピュータの能力を持ってすれば相当先の手まで計算できるのでしょう。計算能力ではとても人間はかなわない。
でも、全体を俯瞰し現在の立位置を確認し先を見据えるという大局観は、まだコンピュータにはできないし、できるようにするのは難しいのでしょう。
米長永世棋聖のちょっとしたミスをボンクラーズは見逃さず、的確に突いてきたんだろうなぁ。
「コンピューターは人間を越えられるか」が番組のタイトルですが、大局観をプログラムするのは人間なんだよね。
人間が人間のことをわからない限り、コンピュータは越えるどころか並ぶこともできないのかな。
番組を見ながらそんなことを考えていました。
将棋:コンピューターソフト、113手で米長永世棋聖を制す
日本将棋連盟会長の米長邦雄永世棋聖(68)とコンピューターソフト「ボンクラーズ」の特別公式対局が14日、東京都渋谷区の将棋会館であり、ボンクラーズが113手で人間対コンピューターの戦いを制した。ボンクラーズは昨年12月、早指しで行われたプレマッチでも勝利を収めており、初の公式対局で改めて強さを見せつけた。
持ち時間は各3時間。先手のボンクラーズの振り飛車に対し、米長永世棋聖が押さえ込みを見せ、作戦勝ちかと思わせたが、ボンクラーズが好機をとらえて開戦し、優勢を確立し押し切った。対局はボンクラーズの指し手を米長永世棋聖の弟子、中村太地五段(23)が盤上に再現する形で行われた。
03年に現役を引退した米長永世棋聖に対し、ボンクラーズは昨年5月の世界コンピュータ将棋選手権で優勝した強豪。これまでのプロとコンピューターソフトの公式対局は、07年に渡辺明竜王が「ボナンザ」に勝ち、10年に清水市代女流六段が「あから2010」に敗れている。現役プロ棋士の敗戦はない。
米長永世棋聖は「途中に見落としがあって気持ちを切り替えられなかった」と敗戦を振り返った。
対局は「第1回将棋電王戦」と銘打たれ、来年の第2回では、棋士5人と5ソフトの対局が組まれる。2012/01/15/毎日新聞
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