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2012.01.12

うるう秒がなくなるかもしれない ?

国際電気通信連合(ITU)の総会の結果次第でうるう秒が廃止されるかもしれないと朝日新聞が報じていました。
この話、ちょっと面白いと思いました。

標準時刻は世界各地にある原子時計から正確に定められているのに対し、地球の自転は極々わずか遅くなっていて原子時計と地球の自転をもとにした時間に不整合(地球の自転を基準にすると原子時計が進む)が生じてしまいます。
その不整合を調整するため誤差が0.9秒を超えると1秒を挿入して原子時計を遅らす措置がとられています。

この前のうるう秒は2009年01月01日08時59分59秒の後に60秒を挿入することにより行われました。

うるう秒「2009年1月1日8時59分60秒」を記録した
Japan Standard Time/独立行政法人情報通信研究機構

関連エントリー:うるう秒「2009年1月1日8時59分60秒」を記録した (2009.01.01)

次のうるう秒は2012年07月01日08時59分60秒とのこと。

うるう秒は、うるう年のように4年に1回、2月29日を加えるといった規則性がないので、コンピューターに予め組み込んでおくことが難しく、コンピューターが社会に深く浸透している現在では'59分60秒'が誤作動を起こす可能性があるそうです。
それで、うるう秒をなくそうとの動きが主流になっているとのことです。

過去40年間でうるう秒をいれないと地球の自転に対し、時計は34秒進んでいるそうです。そうすると100年で85秒!
この誤差を大きいとみるか小さいとみるか ?!

まぁ、うるう秒がなくなったらなくなったで自転と調整する方法を考えるのだろうけれどね。

引用文消える?「うるう秒」 自転とのズレ、帳尻合わせ40年
ジュネーブで16日から開かれる国際会議で「うるう秒」の廃止が決まるかもしれない。極めて正確な原子時計で定義される時刻と、少しずつ遅くなる地球の自転で決まる時刻との帳尻を合わせるため、数年に一度、挿入される「1秒」。廃止されれば時刻が生活感とずれてくる可能性があるが、情報化に伴うリスクを理由に、廃止派が存続派を上回る勢いだ。
時刻は、生活と密接にかかわる太陽の動きに合うように、地球の自転に基づいて決められてきた。しかし、潮の干満の影響で自転にブレーキがかかっており、原子時計の時刻(原子時)とのズレが問題になった。そこで、1972年1月1日、「うるう秒」が導入された。
廃止論の背景はコンピューターの普及。うるう秒は日本時間では1月1日か7月1日の午前8時59分59秒の後に、普段使わない「60秒」として挿入されるが、コンピューター内部の時計が誤作動する恐れがあるからだ。誤作動は株の売買や、電子認証などのトラブルにつながる。
うるう秒の実施は、自転を調べる天体観測の結果を基に国際機関が各国に知らせる。3年半ぶりに今年7月1日に挿入するとの通知は、年明けにあった。毎年あるとは限らないから、自動化もできない。
日本データ通信協会の小宮山牧兒(ぼくじ)タイムビジネス認定センター所長によると、電子書類に作成時刻や信頼性の証明を与えるタイムスタンプ事業は、2005年の「e-文書法」を機に本格始動したが、以降2度あった「うるう秒」の挿入時に、数時間サービスを停止した。
10年前からこの問題を議論してきた国連の専門機関、国際電気通信連合(ITU)は、16~20日の総会で廃止提案を採決する。総務省によると、ITUの下部組織の意向調査では、廃止賛成は日米など13カ国で反対は3カ国だった。
「たかが1秒」だが、積もれば自転で決まる時刻とのズレは無視できなくなる。過去40年、うるう秒を入れなかったとすると34秒。日本標準時を決める情報通信研究機構の細川瑞彦経営企画部長によると、600~700年後に30分~1時間ほどになり、遠い将来、「真っ暗なのに時刻は正午」みたいなことがあり得る。
旗色の悪い存続派は、うるう秒挿入のリスクよりもズレに伴う混乱のリスクのほうが大きい、などと主張する。かつて世界の時刻の基準とされていた「グリニッジ天文台」を持つ英国は、一貫してこの立場だ。他に中国とカナダも廃止に反対している。
ITU総会では国連の全加盟国が議決権を持つが、賛否を明らかにしている国は一部。総務省は「廃止派が優勢とみられるが、結論はまだわからない」としている。
2012/01/11/朝日新聞

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追記 2012.01.21

ITUの無線通信総会はうるう秒の廃止について結論を2015年の次回の総会に持ち越したと、日本経済新聞が報じていました。

日本は廃止に賛成だけど各国の意見がまとまらず結論を出すには時期尚早との結論だったようです。

引用文「うるう秒」廃止、15年に結論持ち越し
ジュネーブで開かれた国際電気通信連合(ITU)の無線通信総会は19日、地球の自転速度と標準時刻とのずれを調整するために1日を1秒長くする「うるう秒」を廃止するかどうかについて協議したが、時期尚早として、2015年に開かれる予定の次回総会に結論を持ち越すことを決めた。
廃止に向けた勧告案を提案した作業部会に差し戻した形。日米両国などの賛成論に英国、ドイツなどが反論したことに加え、途上国を中心に「時期尚早」論が相次いだ。
ナイジェリアが「先進国を中心にした作業部会には入っていなかった」と主張するなど、「うるう秒」を廃止した場合のメリット、デメリットについて知識共有が進んでいなかったことが背景にあるとみられる。
世界共通の標準時刻は1958年から、原子時計を基に定めている。それ以前は地球の自転1回転を1日として、それを基に1秒を定める「天文時」が使われていた。
ところが、厳密には自転速度は一定ではないため、天文時と標準時刻とのずれが0.9秒以上にならないように、72年から「うるう秒」を挿入する措置を取ってきた。
作業部会では「うるう秒」の代わりに「うるう分」を挿入する案も検討されており、今後の課題となる可能性もある。
2012/01/20/日本経済新聞


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2012年7月1日にうるう秒を挿入するというニュースを追加しました。 [続きを読む]

受信: 2012.02.01 12:12

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