静岡新聞に京都大学の研究の面白い記事が載っていました。
冬に繁殖するシャクガ(シャクトリムシの仲間です)のクロテンフユシャクは、寒さが厳しいと厳寒期を避けその前後の時期に繁殖し、その結果、前後で繁殖した個体は別々の進化をするそうです。
考えてみれば、最初は同じ種であったものが、環境が変わることにより交流がなくなりそれぞれがそれぞれの環境に適応して進化をし別の種になることは、生物の長い歴史の中で行われてきたのでしょう。
それをミトコンドリアの遺伝子から割り出したところが、京都大学の研究の成果かな。
この記事を読んでいて別の面で気づかされたことがあります。
冬に繁殖するガがいるんですね。
多くのガは、卵、幼虫、蛹、成虫の違いはあるけれど越冬して、春から繁殖をして晩秋までに世代を重ねます。
ネットで調べてみると、クロテンフユシャクなどのフユシャクは冬に繁殖し1年・1世代なんそうです。
そういった生態なので初冬型と晩秋型の分化が起こるんですね。
勉強になりました。
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ガの一種、冬の寒さで別種に進化 京都大突き止める
冬に活動するガの一種が真冬を避け、寒さがましな初冬と晩冬に分かれて活動するように初冬なった結果、交配や交流が妨げられ別種に進化する可能性があることを京都大のチームが突き止め、2日発表した。
冬に繁殖するガのクロテンフユシャクは、生息場所の平均気温が氷点下となったり積雪があったりする場合、初冬と晩冬に分かれ、成虫として活動する。
チームが初冬型と晩冬型のミトコンドリアの遺伝子配列を調べると、異なっていた。繁殖期が分断され交配できなくなるため、別の種への進化が起こりつつあるという。
2011/12/02/静岡新聞