風評被害の判断ってどうするのだろう?
先日、原子力損害賠償紛争審査会から福島第一、第二原子力発電所の事故に起因する損害の判定について中間指針が発表されました。
損害賠償の手続きはこれから順次、進められていくことになると思いますが、特に風評被害について何をもって被害と判断するのか難しい問題だと感じていました。
中間指針では、原子力発電所の事故に起因する風評被害について、下記のように記述されています。
「必ずしも科学的に明確でない放射性物質による汚染の危険を回避するための市場の拒絶反応によるもと考えるべき」(東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針/原子力損害賠償紛争審査会 2011.08.05 41ページ)
参照:東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針/原子力損害賠償紛争審査会 (2011.08.05) PDF 913KB
これを読んで、確かにそうかもしれないなと思いました。
放射性物質に対しほとんど知識を持たない僕にとって、放射性セシウムを中心とした放射性物質の人に与える影響を見聞きしても、どこまでが科学的な知見なのか判断できず、よく判らないものには近づかないという行動をとることもありうるなぁと。それが風評被害の要因なのかもしれません。
寺田寅彦は「ものを怖がらな過ぎたり、怖がり過ぎたりすることはやさしいが、正当に怖がることはなかなかむつかしい」と言ったけれど、正当に怖がるには多くの知識が必要なわけで難しいよね。
正当に怖がるためにも少し勉強しなきゃいけないなぁ。
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