トウモロコシのシカゴ相場が上がっていますね
トウモロコシの国際価格は2008年頃に高騰して、飼料用のトウモロコシのほとんどを米国に依存している日本の畜産業は大きな影響を受けました。
この時は、BRIC'sをはじめとした経済発展や世界的な人口増加にともなう穀物需要の増大、原油価格の高騰によるトウモロコシを原料としたバイオエタノール需要の増加、そして投資・投機マネーの流入などが、価格上昇の主な原因とされています。
そのトウモロコシの国際価格が再び上昇し、2011年4月は7.53ドル/ブッシェル(飼料月報/農林水産省)と過去最高になっています。
米農務省の2011/12年度の需給見通しではエタノール用トウモロコシの需要が飼料用の需要を上回ると、日本経済新聞が報じていました。
米国は国策としてトウモロコシの燃料用エタノール利用を進めてきたけれど、それが本格的になってきたということかな。
食糧とエネルギーについて考えさせれれる記事でした。
トウモロコシ価格、小麦を逆転 燃料向け、飼料用を上回る
小麦とトウモロコシの国際価格が15年ぶりに逆転した。シカゴ先物の月間平均価格は通常は小麦が高いが、6月以降は逆に安くなっている。作柄悪化によるトウモロコシ高騰に加え、「小麦=パン向け、トウモロコシ=飼料向け」という従来の需要構造が変化している要因も大きい。
シカゴの小麦先物価格は1970年以降、96年夏の一時期を除いてトウモロコシ価格を上回ってきた。2003年以降はほぼ1ブッシェル1~2ドル高く、07~08年には一時5ドルの差がついた。人間の主食向けと家畜の飼料向けの"格差"からだ。
しかし今春以降、トウモロコシ価格が米中西部産地の作柄の悪化や中国の調達拡大を受けて再び高騰。たびたび小麦価格を上回るようになる。6月にはトウモロコシの月間平均価格が1ブッシェル0.25ドル上回り、15年ぶりの逆転した。7月も0.15ドル高く、8月も18日までの平均でトウモロコシが6.97ドルと小麦の6.96ドルをわずかに上回った。
日本ユニコムの菊川弘之調査部長は、「価格逆転は穀物の構造変化が原因。特にトウモロコシは自動車燃料のエタノール向けが飼料用向けを初めて上回る見込み」と指摘する。
米農務省が11日発表した来年度(11年9月~12年8月)の需給見通しによると、米国のトウモロコシ需要に占めるエタノール向けは51億ブッシェルと全体の39%を占め、飼料向けの49億ブッシェルを初めて上回るとみられる。米国ではトウモロコシは家畜飼料だけでなく、自動車に必要な燃料の一つなのだ。
燃料向けが増えるにつれてトウモロコシの価格はガソリン価格と連動しやすくなった。米国のガソリン小売価格原油安でやや下がったとはいえ、なお1ガロン3.6ドル前後の高値。ガソリン価格がトウモロコシ高につながっている面もある。
2011/08/23/日本経済新聞
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