2010年度のカロリーベースの自給率は39%、震災の影響が2011年度の自給率にでるのだろうか?
先日、農林水産省から2010年度(平成22年度)の食料自給率が発表になりました。
参照:食料需給表(平成22年度)/農林水産省 (2011.08) PDF 474KB
2010年度の国民1人・1日当たり供給熱量は2,458kcal(概算)で、供給熱量(カロリー)ベースの総合食料自給率は39%とここ数年大きな変化はありません。
ただ、この自給率は供給であって国民1人・1日当たりの摂取熱量は2009年が1,861kcalなので、実際に食料として口に入るカロリーベースの自給率はもう少し上がると思います。
参照:平成21年国民健康・栄養調査の概要/厚生労働省 (2010.12.07) PDF 864KB
ところで、主食の米の重量ベースの自給率は高く97%(主食用は100%)です。
今のところ本年産の米の作況状況はまずまずで、東日本大震災の津波や先月の新潟・福島の豪雨の影響は米の生産全体からみると大きくないようです。
ただ、時事通信の記事を読むと、福島第1原子力発電所の事故に起因した放射性物質の問題が今後どのように影響するのか、そしてこれからの米の自給率にまで波及するのか、不確定な部分がありますね。
11年産米、作況は平年並み=在庫潤沢で需給安定―民間調査会社予想
民間調査会社の米穀データバンク(本社東京)が10日発表した2011年産米の収穫予想(7月末現在)によると、作況指数(平年=100)の全国平均は101の「平年並み」となった。このまま100以上で確定すれば3年ぶり。
5月下旬から6月前半の全国的な低温や日照不足で初期の生育は遅れたものの、その後の好天で回復、例年なら米価下落につながる結果となった。もっとも、今年は東京電力福島第1原発事故による放射能汚染の実態が現時点で判明しておらず、今後の価格動向には不透明感が漂う。
都道府県別に見ると、岩手、宮城、福島、茨城、千葉など13府県が「やや良」。ただ、収穫量は、原発事故による作付け制限の影響などで福島が前年比8.2万トン、震災被害で宮城は同1.5万トン、岩手も同1.4万トンのそれぞれ減少を見込む。一方、7月末に豪雨に襲われた新潟は「県全体で見た影響は軽微」(同社幹部)で収穫量は同微増と予想。同県を含め、北海道、青森、滋賀など28都道府県が「平年並み」、秋田、鳥取、佐賀など5県が「やや不良」、「不良」は沖縄のみ。
同社は、震災の影響などを踏まえ、今年の全国の作付面積を同2.7%減の154万ヘクタール、収穫量は同0.5%減の820万トンと予測。いずれも政府目標を上回っている上、今年6月末の民間在庫量(182万トン)を加えれば、主食用米の総供給量は1000万トンを突破する見通し。来年6月末の在庫量も197万トンと「やや過剰」を予想する。
同社の高橋芳郎社長は「放射能汚染の影響を度外視すれば、需給は安定しており、価格は下げに向かう」とみている。
2011/08/10/時事通信
10年産米、異例の売れ行き=放射能不安が背景
間もなく新米が出回り、需要が落ち着いてくるはずの2010年産米の販売が、8月に入っても伸びている。野菜や牛肉で放射性物質による汚染が見つかる中、今年収穫されるコメにも不安が波及。福島第1原発事故の前に収穫された10年産米を買いだめする消費者が増えているようだ。
「8月に入り、コメの売り上げが伸び始めた」(マルエツ)。イトーヨーカ堂では1~7日のコメの販売額が前年同期比2割増となった。8月上旬は、農林水産省が11年産米を対象に17都県で放射性物質の検査実施を決めた時期。農業関係者の間では「かえって消費者が汚染問題を意識してしまった」との指摘も出ている。
大手スーパーは10年産米の在庫を確保しているため品薄感はないものの、「あまり在庫を抱えない中小の小売店では商品が不足している」(米穀卸大手の木徳神糧)。こうした一部の業者の状況が伝わり、消費者の不安を誘った面もあるようだ。
一方、農水省食糧部計画課は「流通するのは安全なコメだけ。焦って買う必要はない」と強調する。千葉県が実施した11年産米の収穫前調査では放射性物質は検出されなかった。「まだ安心はできないが、関東産のコメが出そろう9月には落ち着いてくる」(農協関係者)との見方も出ている。
2011/08/10/時事通信
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