また、国際的な食料の価格が上昇している
昨年の10月頃から小麦やトウモロコシなどの食料の国際価格が上昇しているそうです。
2008年に国際的な小麦やトウモロコシの需要の増大、原油価格の上昇にともなうトウモロコシのバイオエタノールへの需要の拡大、食料に投資・投機マネーが流入したことなどにより、穀物を中心とした国際価格は史上最高になりました。
たとえばトウモロコシの価格は、'08年6月に1ブッシェル当たり6.99ドルを記録しました。
その後、価格は下落したけれど3ドル代後半に留まり、上昇前の2ドル代の水準には戻らず、価格の水準は新たなステージに入りました。
先日、農林水産省が2020年の世界の食料需給の見通しを発表しました。
参考
・ 「2020年における世界の食料需給見通し」-世界食料需給モデルによる予測結果- (2011.02.18)/農林水産省
・ 2020年における世界の食料需給見通しのポイント(2010.02.18)/農林水産省 (PDF 97KB)
・ 平成22年度 2020年における世界の食料需給見通しのポイント(2010.02)/農林水産省 (PDF 679KB)
・ 2020年における世界の食料需給見通しのポイント(分析編)(2010.02)/農林水産省 (PDF 1018KB)
それによると2020年の食料価格は'08年の高値に時よりもさらに上昇するとの見通しです。
トウモロコシでは、名目で1.4倍、物価変動を反映した実質では1.1倍と予測しています。
今後、さらに新しい価格水準(ベースライン)が形成されるのかな?
関連エントリー:原油価格のベースラインはどこに落ち着くのだろう (2009.07.08)
食料価格、08年水準に近づく=昨年10月から15%上昇―世銀報告書
【ワシントン時事】世界銀行は15日、小麦やトウモロコシ、コメなど食料品価格の動向に関する報告書を発表した。それによると、食料品価格の全体指数は2010年10月から11年1月までの間に15%上昇し、世界的に食料品価格高騰への懸念が深刻化した08年のピーク時をわずかに3%下回る水準に達した。
世銀のゼーリック総裁は声明で、食料価格上昇の影響で最貧層は昨夏以来、4400万人増えたとして、「価格が危険水準へ上昇している」との認識を示した。その上で18、19両日にパリで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議などでの対応を呼び掛けた。
報告書によると、穀物の中では小麦の価格が最も高い伸びをみせており、約半年で2倍以上に上昇。トウモロコシも73%上昇したほか、砂糖や食用油も急上昇。コメの価格は比較的緩やかとした。
価格上昇の原因については、生産国の天候不順と一部の輸出制限による供給減や、需要の増加が影響していると指摘。その上で貧困層対策や輸出制限の回避、在庫状況の透明性向上、農業の投資拡大が必要と訴えている。
2011/02/16/時事通信
穀物価格、今後10年で3割上昇=世界の食料需給見通し―農水省
農林水産省は18日、2020年の世界の食料需給見通しを発表した。食料需要は、アジアを中心とする新興国の経済成長や人口増、バイオ燃料の生産増を背景に拡大。小麦やトウモロコシなど穀物の国際価格は直近3年(07~09年)平均に比べ、24~35%上昇すると予測した。同省は見通しを踏まえ「中長期的な食料の安定供給を図る必要がある」としている。
20年の穀物消費量は22%増の27億トンになると予想。用途別に見ると、トウモロコシを中心とする家畜の飼料用は、新興国の所得水準向上で肉の消費量が増えるなどとして29%増、バイオエタノール原料用は54%増と高い伸びを見込んだ。コメや小麦など食用は20%増とした。
消費の伸びに生産が追い付かず、実際の消費量に対して在庫がどれだけあるかを示す在庫率は20%から15%に低下するとみる。穀物価格の上昇率は、バイオ燃料向けや飼料用の拡大などにより、トウモロコシ(35%)、大豆(32%)が、コメ(31%)、小麦(24%)を上回ると見通した。
一方、肉類の価格は、豚肉が32%、鳥肉が34%、牛肉が46%いずれも上昇するとしている。
2011/02/18/時事通信
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