鳥インフルエンザの渡り鳥伝播説の裏付け
国内の養鶏場や野鳥で確認される鳥インフルエンザH5N1亜型は、大陸から渡り鳥によって運ばれたという説が有力です。
2008年には秋田県、青森県、そして北海道のオオハクチョウからH5N1ウイルスが検出されました。
その飛来地のオナガガモが複数の場所を移動したりロシアに渡ったりしていたことが、東京大学と米国地質研究所の研究チームの人工衛星を使った追跡調査でわかったそうです。共同通信が報じていました。
関連エントリー:鳥インフルエンザH5N1のオオハクチョウへの感染経路 (2008.12.25)
研究チームの樋口広芳さんの「鳥たちの旅」を読んでも、渡り鳥の渡りのルートを実際に確認するのは難しいそうです。
ハクチョウのような大型の鳥では発信機を取り付けて追いかける方法があるものの、バッテリーの寿命で観測期間に制限があったりして調査の方法も限られ、研究分野としてはこれからなんだとその時感じました。
今回の調査は人工衛星を使ったインフルエンザウイルスのもともとの宿主といわれるカモの追跡調査で、これからいろいろなことがわかるかもしれません。
鳥インフルエンザの感染ルートもウイルスの遺伝子解析と渡りの経路からさらに詳しい究明が進むといいですね。
鳥インフル発見地からカモ移動 「渡り鳥が拡散」裏付け
2008年にハクチョウの死骸から鳥インフルエンザウイルス(H5N1)が検出された北海道や東北の飛来地から、複数の場所を移動したりロシアに渡ったりしたオナガガモがいたことを、東京大と米地質調査所(USGS)が人工衛星を使った追跡調査で8日までに突き止めた。
感染した鳥がいた地域から渡り鳥の追跡に成功したのは初という。カモはH5N1に感染しても死なない場合があり、ウイルスを世界に広めている可能性がある。調査結果は、この説を裏付ける有力な証拠という。
研究チームの樋口広芳・東大教授は「渡り鳥が集まる場所で感染が起きると、一気に東アジアに広がる恐れがある。国際的な対策の協議が必要だ」と指摘している。
2011/01/08/共同通信
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