鳥インフルエンザH5N1がブタの中でヒトに感染しやすく変異しているという話
去年、世界的に感染が広がったインフルエンザ、パンデミックH1N1 2009は、ブタの中でトリやブタ、ヒトのウイルスが混ざり合って変異し、ヒトに感染するブタ由来のインフルエンザだとされています。
パンデミックH1N1 2009が新型インフルエンザと呼べるのかは別として、鳥インフルエンザがヒトに感染する新型インフルエンザに変異する過程で、トリとヒトの両方のウイルスに感染するブタが関与しているともいわれています。
現在、新型インフルエンザへの変異が最も懸念されているのが、鳥インフルエンザH5N1亜型で、そのウイルスがブタの中でヒトに感染しやすく変異しているという、東京大学医科学研究所の研究チームの研究結果を朝日新聞が報じていました。
H5N1がヒトに感染した場合、致死率が60%近くになる病原性の高いウイルスです。
ただ、トリに最適化されたウイルスでヒトの間では広がり難い状態にあります。それが、ブタの中でヒトの鼻や喉で感染が成立するように変異をしたそうです。
変異した時、H5N1の病原性はどうなったんだろう?
新型インフルエンザの出現に近づく、気になるニュースです。
致死率高い鳥インフル、人間に感染しやすい型に変異
人に感染すると6割近い致死率を示す高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)が、インドネシアで豚に感染し、一部が人ののどや鼻の細胞に感染しやすいウイルスに変異したことがわかった。解析した東京大医科学研究所の河岡義裕教授らの研究チームは、致死性の高い新型インフル出現に備え、豚インフルの監視の必要性を強調している。
河岡さんらはインドネシアのアイルランガ大と共同で、2005年から09年にかけて3回、インドネシアの延べ14州で、無作為に選んだ702匹の豚の鼻汁や血液、ふんなどを調べた。
05~07年に調べた豚の7.4%から高病原性鳥インフルのウイルスが分離され、分析すると、どの豚も近隣の鶏で流行した鳥インフルに感染していた。詳細に調べた39のウイルスのうち、一つが人の鼻やのどの細胞にくっつきやすく変異していた。08~09年の調査では過去に感染していた形跡はあったが、ウイルスは分離されなかった。
これまで見つかった高病原性鳥インフルは人には感染しにくいが、人に感染しやすい高病原性の新たなインフルの出現が懸念されていた。豚は鳥型インフルにもヒト型インフルにも感染するため、豚の体内で、人に感染しやすく変異したとみられる。
高病原性鳥インフルは、豚では症状を起こしにくく、感染した豚は無症状だったため、気づかないうちに広がった可能性がある。河岡さんは「高病原性で人に感染しやすいウイルスが知らぬ間に広がる恐れがあり、症状がなくても豚のウイルス検査をきちんと実施すべきだ」と話す。
2010/09/01/朝日新聞
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