クリストコックス・ガッティの国内初の感染者が確認された
朝日新聞が、カビの仲間のクリプトコックス・ガッティの国内初の感染者が確認されたと報じていました。
クリプトコックス・ガッティとう病原性の強いカビが北米で問題になっていたんですね。
「既に国内の植物にカビが定着している可能性もある」とうい東大病院の医師の意見もあったりして、ちょっと気になる話題だけど、僕はクリプトコックス・ガッティのことを何も知らなかったので、少し調べてみました。
クリプトコックス・ガッティ (Cryptococus gattii) について、簡単な解説が国立感染症研究所のサイトに掲載されていました。
参考:高病原性クリプトコックス症(Cryptococcus gattii) によるクリプトコックス症)について/国立感染症研究所
資料によると、クリプトコックス・ガッティは、もともとはオーストラリアを中心とした熱帯・亜熱帯地区のユーカリの樹に生息する真菌だったみたいです。
それが、1999年以降、カナダ・ブリティッシュコロンビア州・バンクーバー島東海岸地域で100人以上に感染が確認され、その後、ブリティッシュコロンビア州の他地域や隣接する米国ワシントン州やオレゴン州にも感染が拡大したそうです。
そして、日本でも2010年に初めて感染の報告(感染は2007年?)があったとのことです。
資料の1999年から2007年のバンクーバー島の平均発症率は25.1人/100万人、新聞記事の米疾病対策センターの米国西海岸側の致死率が2割と、少ない統計でなんとも言えませんが、クリプトコックス・ガッティはあなどれない感染症ですね。
北米で集団発生の強毒カビ 感染患者、国内で初確認
北米で集団発生が問題となり健康な人でも死亡することがある強毒カビに、東京都内の40代男性が感染していたことが分かった。「クリプトコッカス・ガッティ」という真菌で国内初の感染例だ。男性に北米への渡航歴はなく、国立感染症研究所は他に患者がいないか実態把握に乗り出す。
東京大チームが突き止めた。男性は健康に問題はなかったが、頭痛やものが見えにくくなり2007年に都内の病院を受診。検査で脳に直径5センチほどのこぶが見つかり手術で取り出して調べた結果、このカビを検出した。点滴や飲み薬で1年後に快復した。
感染者から体外にカビが出ることはなく人から人へは感染しない。植物に付着し何かの拍子で舞い上がったカビを吸い込んで感染する。このカビは、1999年にカナダ・バンクーバー島で人の感染が集団で起こり、その後、北米大陸に広がり最近は米西海岸の複数の地域で報告されている。男性で見つかったカビの遺伝子は、カナダのものと同じだった。
米疾病対策センター(CDC)によると、7月までに米西海岸側で60人の患者報告があり、経過を確認できた45人のうち2割の9人が亡くなった。免疫力の落ちた患者だけでなく、健康な人も含まれていたという。
東大病院の畠山修司感染症内科副科長は「北米から輸入された木材についたカビを吸い込んだかもしれないが、既に国内の植物にカビが定着している可能性もある」とみる。カビの潜伏期間は平均6~7カ月。男性が最後に渡航したのは、受診時から8年前のサイパンで、そこからの感染は考えにくいという。
国立感染症研究所の宮崎義継・生物活性物質部長によると、早く発見すれば治療できるが、病院で見落とす恐れがある。「1年以内に北米に行った経験があれば診断時に医師に伝えてほしい」という。
2010/08/24/朝日新聞
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