インフルエンザ21世紀/瀬名秀明
昨年、流行したインフルエンザ パンデミックH1N1 2009(新型インフルエンザ)は、季節性インフルエンザとは違った消長をたどって、年明けると徐々に収束に向かいました。
今年の秋以降、パンデミック・ウイルスが主流になるのか、季節性インフルエンザのH1N1、H2N2、H3N2と共存するするのか興味があります。
瀬名秀明の「インフルエンザ21世紀」は、パンデミックH1N1 2009 の流行を含め、インフルエンザ全般について、研究者ばかりではなく公衆衛生に関わる人など幅広く取材し、自然科学、社会科学の両面からまとめられています。
文中に「ものをこわがらなすぎたり、こわがりすぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしい」という寺田寅彦の言葉が、公衆衛生の難しさと重ねて引用されます。
確かにそのとおりだと思います。
そして、昨年のパンデミックH1N1 2009 の騒動の時、現場で対策に当たっている人たちが対峙しているのが、ウイルスそのものではなく、人間社会であった点が印象に残りました。
「インフルエンザ21世紀」は、病原性の強い新型のインフルエンザウイルスを知る一般向けの良い本だと思いました。
インフルエンザ21世紀
瀬名秀明 (Sena Hideaki)/鈴木康夫 (Suzuki Yasuo)(監修)/文藝春秋(文春新書)/2009
・ 書籍の紹介一覧 B0114
・ MediaMarker
※ 「おすすめ度」は、Amazon.co.jpのカスタマーレビューにおけるおすすめ度です。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 西之島の成長過程がよくわかる海上保安庁のデータベース(2024.07.22)
- 静岡市役所青葉通り側のちびまる子ちゃんのマンホール(2024.07.02)
- 静岡市歴史博物館内堀側のちびまるこちゃんのマンホール(2024.05.22)
- 米国で13年ゼミと17年ゼミが221年ぶりに同時に発生する(2024.04.16)
- 城北公園の枝垂桜は散り始め(2024.04.02)
「書籍の紹介」カテゴリの記事
- 清水港の鉄道と荷役/フェルケール博物館(2023.05.30)
- 富士宮の歴史 自然環境編/静岡県富士宮市(2023.05.14)
- 見えない絶景 深海底巨大地形/藤岡換太郎(2021.10.13)
- ゆでめん/野上眞宏・鈴木 茂(2021.10.02)
- 緊急提言 パンデミック/ユヴァル・ノア・ハラリ(2021.07.25)
「ウイルス、細菌、微生物」カテゴリの記事
- 新型コロナに感染しました - 一覧(2024.11.06)
- 新型コロナに感染しました - 9 後遺症?(2024.11.15)
- 新型コロナに感染しました - 8 新型コロナウイルス感染症の薬は高いですね(2024.11.02)
- 新型コロナに感染しました - 7 どこで感染したのだろう?(2024.11.01)
- 新型コロナに感染しました - 6 熱が下がり喉の痛みもなくなりました(2024.10.30)
コメント