多糖類と乳酸菌によるインフルエンザ対策
昨年の12月の少し古い時事通信の記事ですが、多糖類のβグルカンと乳酸菌の接種が、インフルエンザ対策となる可能性があるとの北海道大学の研究成果が報じられていました。
1/3が死ぬ量のインフルエンザウイルスH1N1亜型に感染させたマウスに、βグルカンをウイルス感染前後の2週間接種したところ、生存率は100%、感染直後のタミフルと同等な効果があったとのことです。
また、マウスが全滅する量のウイルスを感染させた場合は、βグルカンに特殊な乳酸菌を併用すると、タミフル投与の生存率が50%に対し、βグルカン+乳酸菌は75%だったそうです。
感染2週間前からβグルカンを接種させたとのことだから、ウイルスは感染したけれど増殖はしなかったということでしょうか。また、乳酸菌はβグルカンの機能を増強させる副次的な作用だったのかな。まあ、”特殊”な乳酸菌というところがポイントでしょうが。
まだ、βグルカンや乳酸菌のインフルエンザウイルスに対する作用のメカニズムはわかっていないようだし、鳥インフルエンザH5N1亜型など新型への変異が懸念されているウイルスに対して効果が期待できるのか、まだ、これからの研究の結果次第だけど、面白研究ですね。
「インフルエンザに特効」=多糖類と乳酸菌の摂取で-北大
医薬品などに使われている多糖類「β(ベータ)グルカン」と乳酸菌を摂取するとインフルエンザウイルスの感染を防いだり、感染後の重症化を抑える可能性があると北海道大人獣共通感染症リサーチセンターの宮崎忠昭教授の研究グループが3日、発表した。当面は機能性食品やサプリメントに活用し、将来的には治療薬の開発が期待されるとしている。
宮崎教授らは、βグルカンと乳酸菌が生体防御機能を高めることに注目。マウスによる実験に酵母由来のβグルカンと特殊な乳酸菌、新型インフルエンザに近いH1N1亜型のウイルスを使用した。3分の1のマウスが死ぬ量のウイルスに感染させた場合、βグルカンを感染の前後2週間摂取させたマウスの生存率は100%で、感染直後のタミフル投与と同等だった。
さらに全滅する量のウイルスに感染させた場合、タミフル投与では50%の生存率だったが、βグルカンと乳酸菌を併用すると生存率は75%まで上昇、タミフルとβグルカンの併用と同等だった。さらにβグルカンと乳酸菌の場合、タミフル投与と比べて体重の減り方が少ないという効果もあったという。
ただ、こうしたメカニズムは明らかになっておらず、宮崎教授は今後、βグルカンなどの構造解析やマウスの免疫細胞についての分析を進める。(了)
2009/12/03/時事通信
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