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2010.03.02

血液型の科学/藤田紘一郎

僕はABO式血液型性格診断は信じていなかったし、今でも信じていません。
でも、信じていないからといって、その手の話は嫌いではないし、科学的ではないと目くじらを立てる気もありません。

ただ、藤田紘一郎の「血液型の科学」を読んで、少しABO式血液型性格診断に対する見方が変わりました。

藤田さんは、僕が言うまでもない寄生虫の専門家です。彼の寄生虫をはじめとする感染生物と人間の関係の本は面白くて、このブログでも以前「笑うカイチュウ」を紹介しました。

その藤田さんが何故、血液型?と最初は思いました。科学の分野の専門家が、名が知れると専門外の分野を書くことがあります。でも、その場合、観念的になったりリアリティを失ったりして、読んで面白くないことが多々あります。
この本もその類かと思ったのだけど、違っていました。

「血液型の科学」は、血液型を免疫という面からアプローチした本です。

ABO式血液型は、赤血球上の糖鎖の種類(血液型物質)によって、O型、A型、B型、そしてAB型に分類されるのだけど、この血液型物質は全身に存在し、特に胃腸内に多く存在するそうです。

A型とB型の血液型物質は細菌の時代から存在していて、人間は細菌の多くと共生関係にあり、その中でA型やB型の血液型物質が人間取り込まれたのではという話です。
もともと人間はO型で、A型やB型の細菌の攻撃を受けると抗原抗体反応による防御をしていたのだけど、A型やB型を取り込んだ時点で、自分自身に抗原・抗体反応を起さないようにA型は抗A抗体、B型は抗B抗体を持つようになったのではないか。そして、血液型別に感染症などに対する免疫力の違いが出たのではないか。

血液型による免疫力の違いから、生活パターンの違いが生まれ、そのことが性格の違いに影響を与えることも考えられるといった話です。

科学の世界でどこまで認知されているのかわからないのですが、面白い説です。

勿論、藤田さんもそのことで性格のすべてが決まるとは言っていないけどね。

この本の論旨を上手く書けていない気がするし、他にも興味深いことがいろいろ書かれているので、興味のある人は読んでみてください。

本血液型の科学 - かかる病気、かからない病気 藤田紘一郎 (Fujita Koichiro)/祥伝社(祥伝社新書)/2010

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