まほろ駅前多田便利軒/三浦しをん
「風が強く吹いている」にしろ「神去なあなあ日常」にしろ三浦しをんの小説は、登場人物が個性的で面白いけれど、この「まほろ駅前多田便利軒」でも登場人物の個性が楽しめます。
この小説は、東京のはずれのまほろ市の駅前で便利屋を営む多田啓介と、そこに転がり込んだ多田の高校時代の同級生、行天春彦のコンビの物語です。
子供役や犬の預かりや塾の送迎、バスの運行状況の調査、納屋の整理など、いろいろな仕事を請負うだけではなく、依頼主やその周囲の事情にコミットしてしまうため、込み入った状況に巻き込まれていく、その様子がコミカルにそしてしんみりと描かれます。
なんでコミットしてしまうのか? それぞれの過去との葛藤の中で、依頼主の中に同質のものを多田も行天も感じているのかもしれません。
「幸福は再生する」 いい言葉だね。
まほろ駅前多田便利軒
三浦しをん/文藝春秋(文春文庫)/2006
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