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2010.02.20

来シーズンはインフルエンザワクチンからAソ連型がはずれるかもしれない

2009/'10シーズンのインフルエンザもだいぶ下火になってきたように思います。国立感染症研究所の週別の定点当たりのインフルエンザの報告数を見てもその傾向がわかります。
’06/’07シーズンみたいに春先になって流行したこともあるのでなんとも言えないけれど、インフルエンザは一段落といったところかな。

インフルエンザの週別定点当たり報告数(全国)の推移 厚生労働省/国立感染症研究所 2006年第28週-2010年第5週

毎年、僕はインフルエンザのワクチンの接種をしていました。ただ、今シーズンはパンデミック2009 H1N1(新型インフルエンザ)の流行の影響か、季節性のワクチンも不足して、季節性インフルエンザワクチンの接種する機会を逸してしまいました。

今シーズンは、パンデミック2009 H1N1 ウイルスが登場したので、インフルエンザワクチンは、従来の季節性のものとパンデミックウイルス用の2種類ありました。
それが、来シーズンは1種類になるかもしれないと、朝日新聞が報じていました。

季節性インフルエンザは、Aソ連型(H1N1)、A香港型(H3N2)とB型の3種類のウイルスが現在存在します。そこに今シーズンは、新たにパンデミック2009 H1N1 が加わったので、現時点で人の間で感染が広がるインフルエンザウイルスは4種類になりました。

ひとつのワクチンで3種のウイルスまでしか対応できない(何故だろう?)ので、来シーズンはAソ連型をはずしてパンデミック2009 H1N1 を加えたワクチンにするみたいです。

インフルエンザ関係の本を読むと、A型インフルエンザは豚から変異した新たなインフルエンザが出現すると、それまで流行していたA型インフルエンザは駆逐されてしまうようです。
1957年頃に新型としてアジアインフルエンザ(H2N2)が登場すると、それまで流行したスペインインフルエンザ(H1N1)とその変異ウイルスは流行しなくなったと言うし、香港インフルエンザ(A香港型 H3N2)が'68年頃に新型として出現するとアジアインフルエンザは鳴りを潜めたと言います。ただ、'77年頃から流行を始めたAソ連型(H1N1)はよくわからないみたいです。

今シーズンは、新たにパンデミック2009 H1N1が出現し流行したので、季節性インフルエンザとの関係はどうなるのだろうと興味を持っていました。

国立感染症研究所の調査によると、今シーズンのインフルエンザのほとんどがパンデミック2009 H1N1 ウイルスのようです。
昨シーズンは、Aソ連型が約半分、A香港型とB型が残りの半分ずつといった感じでしたが、今シーズンはパンデミックウイルスが99%を占め、季節性インフルエンザは駆逐されてしまった感があります。

インフルエンザ亜型別分離割合

そんな状況の中、来シーズンのワクチンの組合わせが検討されるんだろうね。

引用文インフルワクチン、秋から1種類でOK 国産で確保可能
国内のインフルエンザワクチンが今秋、1種類にまとめられる見通しになった。世界保健機関(WHO)が18日、来季のインフルワクチンに新型の豚インフルを組み込むことを推奨すると発表したからだ。今季のように季節性と新型の2種類のワクチンを打つ必要がなくなる。例年約4千万人にものぼる接種希望者の負担が軽くなる。
今季の季節性ワクチンはAソ連型、A香港型、B型の3タイプのウイルスを対象にしてつくられた。インフルワクチンは1種類で最大3タイプのウイルスにしか対応できない。このためこれとは別に新型のワクチンもつくった。特に1~12歳の子どもは季節性と新型を2回ずつ計4回も打つことになった。
国立感染症研究所のまとめでは、昨年8月末から今年2月中旬までに全国の定点医療機関などを受診した患者から採取され、地方衛生研究所で分析されたインフルウイルスのうち新型が1万8076件。これに対し、Aソ連型はゼロ、A香港型は15件、B型は9件と、圧倒的に新型が多かった。世界的には、B型が日本より多い地域もあるが、おおむね似たような傾向だ。
過去のパンデミック(世界的大流行)では、新型の流行に取って代わられる形でそれまで流行していたウイルスが世界的に姿を消している。理由はまだわかっていないが、今回も同じことが起きた。
WHOはAソ連型の代わりに新型を入れることを推奨した。
18日に電話会見したケイジ・フクダWHO事務局長特別顧問は「パンデミックが終わったというわけではない。秋以降も新型がインフル流行の中心になると予測される」と強調した。
国内では今季、インフルワクチンをつくっている4社が季節性(成人換算で約4千万人分)と新型(同約5400万人分)の両方を製造しなくてはならなかった。このため、国産だけでは新型が足りなくなるという予測から外国産の新型(予定で同9900万人分)も輸入された。来季は、1種類のワクチン製造だけで済むため必要量を国産でまかなえる可能性が高い。
国内では感染研が今後、WHOの推奨などを踏まえて専門家の検討会議でワクチンのもとになるウイルス株を選び、最終的には厚生労働省が決める。来季ワクチンが、新型とA香港型、B型という組み合わせになるのは確実だ。
2010/02/18/朝日新聞

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