今流行しているインフルエンザの致死率って0.0008%?
パンデミックH1N1 2009(新型インフルエンザ)が流行し始めた夏以降、昨日までに57人の方がインフルエンザ(疑い事例を含む)で亡くなられています。その都度、厚生労働省からプレスリリースがあり、マスコミでもそのことを報道しています。
こんなことって、毎年流行の度合いは違うけれど、季節性インフルエンザでもあったんだろうか?
多くの人が免疫を持っていないパンデミックウイルスだから、逐一、プレスリリースしたり報道したりするんだろうか?
以前からこのブログで何度も書いてきましたが、僕が知りたいのは、今回のウイルスの病原性の強さです。毎年、季節性インフルエンザで多くの方が亡くなられているので、今回のウイルスと違いを知りたいなぁ。具体的には、季節性インフルエンザの致死率や死亡率と比べてどうか知りたいと思っています。
厚生労働省のプレスリリースでは、パンデミックH1N1 2009 の国内の流行が目立ち始めた2009年第29週から第44週(2009年7月6日~11月1日)の推計患者数は585万人です。一方、この期間に疑い事例を含めたインフルエンザで亡くなられた方は47人となっています。また、現在、発生しているインフルエンザの98%は、パンデミックH1N1 2009 ウイルスとされているから、亡くなられた方は、直接の死因の疑い事例もありますが、ほぼこのパンデミックウイルスにが関係しているものと思います。
単純に同じ期間の死者数を推計患者数で除した致死率は、0.0008%になります。
この割合って多いのだろうか、少ないのだろうか?
季節性インフルエンザの2003年から2008年の死亡率は、0.2人/10万人から1.4人/10万人と年によってかなり変動がありますが、単純平均をすると0.7人/10万人になります。
今回のパンデミックH1N1 2009 では、2009年8月14日に沖縄の男性の方が亡くなられてから、これまで(11月10日)までの89日間で57人の方が亡くなられています。これから1年当たりの死亡者数を推定すると234人になります。
人口動態調査の2008年の日本の人口は12,595万人ですので、1年当たりの推定の死亡者数234人から、パンデミックH1N1 2009 の推定死亡率は0.2人/10万人となり、季節性インフルエンザの死亡率0.7人/10万人よりも低くなります。
これは、「インフルエンザ パンデミック」/河岡義裕,堀本研子の中で書かれているように、パンデミックH1N1 2009 の病原性が低いためではなく、日本人の新型インフルエンザへの関心の高さと適切な医療の対応のためだろうか。
まあ、1シーズン経てばある程度のことがわかるのだろうけど。
関連エントリー:パンデミックH1N1 2009 と季節性インフルエンザの病原性 (2009.11.03)
インフルエンザ流行レベルマップ
<コメント>
2009年第44週のインフルエンザの定点当たり報告数は33.28(患者報告数159,651)となり、前週の値(定点当たり報告数24.62)よりも大きく増加した。定点医療機関からの報告数をもとに、定点以外を含む全国の医療機関を1週間に受診した患者数を推計すると約154万人となり、第28週以降これまでの累積の推計患者数は585万人(95%信頼区間:570.79万人~599.21万人)である。
2009/11/06/厚生労働省プレスリリース
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