神去なあなあ日常/三浦しをん
「神去なあなあ日常」、面白いです。
「神去なあなあ日常」は、高校を卒業したら適当にフリーターで食っていこうと思っていた青年 平野勇気が、本人の承諾というか相談もなく担任の教師と親に勝手に決められ、三重県の山奥の神去(かむさり)村の林業会社に研修生として放り込まれる物語です。
研修といってもいわゆる研修らしい研修は最初の3週間くらいで、後は中村林業という会社のひとつの班で他のメンバーと山仕事をするのだけれど。
全く林業の知識も経験もない主人公が、少しずつ変なまわりの人たちやおかしな風習やしきたり、そして自然と接するうちに、不思議に馴染んでゆく様子がコミカルに、でも真面目に展開されます。
林業をとおしたファンタジーなんだけど、リアリティーを感じるのは三浦しをんの取材がしっかりしているからだと思います。これは、以前紹介した「風が強く吹いている」にも感じたことですが。
神去なあなあ日常
三浦しをん (Miura Shion)/徳間書店/2009
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コメント
t-saitoさん、こんにちは。ここ数日の静岡、寒いですね。
三浦しをんの小説は、確かに書かれる内容を彼女自身が好きだということが大前提になっていると、僕も思います。
そのうえで、しっかりした取材のもと、コミカルに前向きに書いているので、読み手も物語りに引きずり込まれるんですね。
面白い本があったら教えてください。
投稿: Kaze | 2009.12.20 11:13
お待たせしました。やっと読みましたので、トラックバックを遅らせてもらいました。よろしくお願いします。
三浦さんの場合は、取材力も勿論、本人が本当に好きで、それをいかに上手に人に伝えられるかの技術が図抜けているのだと思います。
それで、僕のように箱根駅伝を見て感動して泣いたり、うちの女房の様に、うっかり文楽を見に行ってしまったりする人を大量に発生させているだろうと思われます。
時代も丁度、団塊世代がセカンドライフ探しに山村に生活の場を移したりしているようですから、こういった余剰労働力が山林の保護に目を向けてくれると良いのじゃないでしょうか?
投稿: t-saito | 2009.12.19 19:25