感染症は世界史を動かす/岡田晴恵
宮内庁埼玉鴨場で飼育されているアヒルやカモから鳥インフルエンザが疑われるウイルスが見つかりましたが、(独)農研機構動物衛生研究所の検査の結果、高病原性鳥インフルエンザのH5やH7亜型ではなく、H3亜型だったそうです。農林水産省がプレスリリースしていました。まだ、ノイラミニダーゼの型はわかっていないそうです。
カモはH1~16、N1~9のすべての亜型の宿主だから、調べれば何かしらのインフルエンザウイルスが確認されることもあるのだろうなぁと、以前、読んだ岡田晴恵の「感染症は世界史を動かす」を思い出しました。
・ 感染症は世界史を動かす/岡田晴恵 P225 から引用
もともと、ヒトのインフルエンザも鳥インフルエンザを起源とするといわれているから、カモにとっては共生関係にあるウイルスなのでしょう。
「感染症は世界史を動かす」には、ペスト、梅毒、結核の細菌やスペインインフルエンザのウイルスなどによる感染症が人間社会にどのような影響を与え、どのように折り合いをつけてきたのかが、平易な言葉でわかりやすく書かれています。
そして、21世紀の感染症として鳥インフルエンザA/H5N1亜型の変異による新型インフルエンザの出現への危惧について最後に言及します。
この本を読んでいると人間は感染症との戦いをずっと続けてきたんだと改めて思います。
感染症は世界史を動かす
岡田晴恵 (Okada Harue)/筑摩書房(筑摩新書)/2006
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埼玉県における鳥インフルエンザ(H3亜型)の発生について
本日、埼玉県越谷市宮内庁鴨場のアヒル・アイガモについては、高病原性鳥インフルエンザであるH5、H7亜型ではなくH3亜型であることが確認されました。
なお、飼養者に対し、発生家きんの隔離等を指導するとともに、念のため、当該ウイルスの家きん等への接種試験を実施します。
1.農場の概要
埼玉県越谷市、宮内庁埼玉鴨場(飼養羽数:約710羽)
2.経緯
10月16日、埼玉県において、宮内庁の依頼により埼玉県が実施した埼玉鴨場の定期モニタリングで、A型インフルエンザウイルスが分離されたため、(独)農研機構動物衛生研究所において、ウイルスの同定を行ったところ、当該ウイルスが、高病原性鳥インフルエンザであるH5、H7亜型ではなく、 H3亜型であることが確認された。
3.今後の防疫対応
H3亜型鳥インフルエンザの発生が確認されたことから、飼養者に対し、発生家きんの隔離等の防疫措置を実施し、念のため、病原性を確認するため、当該ウイルスの家きん等への接種試験を実施。
(注)鳥インフルエンザとは
* 強毒性のあるH3亜型はこれまで報告されておらず、低病原性と分類されている。
* H5、H7亜型のような家畜伝染病予防法における法定伝染病ではなく、同法に基づく届出伝染病である。
2009/10/16/農林水産省
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