インフルエンザの感染者に比べて死亡者が少ない理由は何なんだろう?
インフルエンザの感染者が増加しているようです。国立感染症研究所の定点調査では、2009年第41週(2009.10.05~10.11)の全国の患者数は、定点1箇所当たり12.92人となり、流行注意報レベルの10人を超え、推計患者数は約64万人、7月以降の累計患者数は約234万人になったと、時事通信が報じていました。
また、現在流行しているインフルエンザのほとんどが、パンデミックA/H1N1 2009(新型インフルエンザ)と言われています。
一方、インフルエンザにより亡くなられた方は、2009.08.14~10.15で27人です。
ただ、以前から思っているのですが、パンデミックA/H1N1 2009 に感染し死亡する割合は、季節性のインフルエンザ(Aソ連型H1N1、A香港型H3N2、B型)に比べて少ないように思います。
パンデミックA/H1N1 2009 の致死率をどこか公表していないかなと探しているのですが、マスコミの報道も僕の知る限りではみかけないし、実際のところよくわかりません。
下の上の表は、2003年から2007年の医療機関のインフルエンザの感染者の報告数と人口動態調査における感染症分類別にみた年次別死亡数のインフルエンザ(鳥インフルエンザは除く)の人数です。
また、その下の表は2009年第33週(2009.08.10~16)から41週(10.05~11)の週別の報告数とその週にインフルエンザ(インフルエンザが原因と疑われるものを含む)で死亡した人数です。
報告数は調査の対象となった医療機関からの報告数で実際の患者数はそれより多いので、正確な致死率ではありません。ただ、分母を揃えたかったので同じ統計の報告数を使いました。
この数字を見ると、従来の季節性インフルエンザに比べて、今流行しているインフルエンザは、死亡する人の割合が一桁少なくなっています。
数字の取り方がおかしいのかな。それとも病原性が季節性インフルエンザに比べて低いのか、早期の治療が功を奏しているのか、それともこれから感染が拡大すると割合があがるのか、どうなんでしょう?
インフル、全国で注意報レベル=前週から倍増、大都市圏本格化-感染研
10月5~11日の1週間に全国約5000の医療機関から報告されたインフルエンザ患者は、1カ所当たり12.92人と前週(6.40人)から倍増し、流行注意報レベルの「10人」を超えたことが、国立感染症研究所の定点調査で分かった。
検出されるウイルスはほとんどが新型の状況が続いている。増加が目立っていた大都市圏でさらに拡大し、本格的な流行になってきており、減少していた沖縄も増加に転じた。
安井良則主任研究官は「本格的流行になりつつある。流行規模が大きくなれば重症者も増え、医療体制が持つか懸念される」としている。
感染研によると、1週間の報告数は6万1583人で、全国の推計患者数は約64万人。増え始めた7月以降の累積患者数は、約234万人と推計される。
都道府県別の人数では、北海道(38.96)、愛知(23.52)、福岡(23.48)、神奈川(21.63)、沖縄(19.48)、東京(18.98)、大阪(16.96)、埼玉(16.89)、兵庫(16.54)、千葉(15.79)の順。
2009/10/16/時事通信
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