相対的貧困率を国どうしで比較する意味ってなんだろう?
「日本の「貧困率」15.7%、OECD中4位」という読売新聞の記事を違和感を感じながら読みました。
日本のGDPは米国に次いで2位(もうすぐ中国に抜かれるといわれていますが)だし、OECD加盟国 30ヶ国の限定した中での比較だけど、それでも相対的貧困率が4位、そんなに日本は貧しい国なのかなぁといった違和感です。
読売新聞に「相対的貧困率」の定義が載っていました。相対的貧困率って、いわゆる貧困の程度を表したものではないんですね。
試しに下の表を作ってみました。
Bグループ(平均値 1,100)は、Aグループ(平均値 600)よりグループとしては豊かなんだけど、相対的貧困率はBグループが27%で、Aグループの18%より高い
相対的貧困率は貧困の程度ではなくて、ばらつきの大きさを表しているんですね。
てことは、日本はOECD 30ヶ国の中で4番目に所得格差が大きいのか。
貧困率という言葉から受けるイメージから、勘違いしてしまいました
日本の「貧困率」15.7%、OECD中4位
長妻厚生労働相は20日午前の閣議後の記者会見で、全国民の中での低所得者の割合を示す「相対的貧困率」が2007年調査で15.7%だったと発表した。
経済協力開発機構(OECD)がまとめた加盟30か国の中で4位で、貧困率の高さが際だった。相対的貧困率は、これまでOECDが日本政府の統計資料を基に算出してきたが、今回、初めて日本政府が算出した。
OECDによる加盟30か国の「2000年代の相対的貧困率」調査では、日本は14.9%(04年調査)だったが、今回の日本政府の07年調査では、貧困の悪化が顕著になった。
OECD調査で貧困率が高かったのは、メキシコ(18.4%)、トルコ(17.5%)、米国(17.1%)の順。逆に低いのはデンマーク(5.2%)、スウェーデン(5.3%)、チェコ(5.8%)だった。
厚労省によると、日本の1998年調査の相対的貧困率は14.6%で、以後、年々悪化傾向にある。子どもの貧困率も01年に14.5%を記録した後、04年に13.7%と改善の兆しを見せたものの、今回14.2%と再び悪化した。
◆相対的貧困率◆ 国民一人ひとりの所得を順番に並べて、ちょうど中間の額の人を定め、更にその額の半分に満たない人が、全体でどれくらいいるかを示したもの。この際に用いられる「所得」は、等価可処分所得といい、所得から税金などを差し引いた世帯の可処分所得を、世帯の人数の平方根で割った数値となっている。貧困の水準を示す絶対的貧困率と異なり、国内の低所得者の割合を示す指標になっている。
2009/10/20/読売新聞
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コメント
ニャンゴロさん、こんにちは。
相対的貧困率って誤解を生みやすい名称ですね。ある集団の中の所得の低い割合を示し、その集団の中で所得が低いことを貧困としているんだと思います。
でも、「貧困」の言葉のイメージからいうと、ある所得以下の割合を示す絶対的貧困率のほうがぴったりしています。
家庭のしつけとも関連するのだけど、僕らの小中学校の頃は、教師が恐かったし、親は教師に一目置いていた(少なくとも子供にはそう見えるよに振舞った)と思います。
投稿: Kaze | 2009.10.23 05:22
暇人さん、こんにちは。
質の悪い教育と、所得格差が開くのには、何等かのつながりがあるようには読めないように思います。教育があまねく悪いという前提なら、全体の所得が下がるのでしたらある面理解できるような気もしますが・・・。
Kazeさんも本文で記載されたように、「貧困率」の定義がちょっと???と感じますよね。
僕もさしたる知識も情報も無いので、点のお話になってしまいますが、学校教育以上に懸念されるのは家庭のしつけだと痛感しています。
投稿: ニャンゴロ | 2009.10.22 22:19
暇人さん、はじめまして。
日本における質の悪い学校教育と貧困の因果関係は、正直なところ僕には、それを紐解く知識を何も持ち合わせていないのでわかりません。
相対的貧困率の数字からは、絶対値としての所得がわからないので貧困か否か判断はできないけれど、この数字から日本は所得格差が広がっていることは読み取れると感じました。
投稿: Kaze | 2009.10.22 20:02
貧困の原因は、質の悪い学校教育です。
受験競争で時代遅れの知識を詰め込み世界最低の大学に入るのでは、生活に困窮して自殺者が出るのは当然です。
母親グループやPTAが、「『おバカ教育』の構造」(阿吽正望著 日新報道社)を読む活動を始めたのは、大きな「危険」に気付いたからです。現在の教育システムでは、すべての子供が、不登校、引きこもり、ニートになる危険があります。
ホームレス、ネットカフェ難民となり、結婚もできず、いつまでも親の重荷となり、大きな悲劇が生まれる可能性もあるのです。
学校を根本から変えなければならないと、多くの人が気付いたのです。
ダムや高速道路ではなく、質の高い教育が必要不可欠の時代が来たのです。
必要から、発明も革命も生まれます。この動きは、日本中に拡大してゆきます。
底辺から、社会革命が始まります。
投稿: 暇人 | 2009.10.22 06:56