5例目のタミフル耐性パンデミックH1N1 2009 ウイルス
滋賀県で、タミフルに耐性を持っているパンデミックH1N1 2009(新型インフルエンザ)ウイルスが確認されたそうです。時事通信が報じていました。
国内のパンデミックウイルスのタミフル耐性は、滋賀県が5例目で、これまで大阪府、山口県、徳島県、岩手県で確認されています。それに関連する時事通信の記事を拾い下記に引用しました。
全国的に感染が拡大しているパンデミックウイルスですが、感染者が増加しタミフルの投与が増えればタミフル耐性を持ったウイルスの出現の確率も増えるのでしょう。
今のところ、このウイルスは病原性が低く、感染拡大はこれからということもあって、毎年1000人程度の死者を出す季節性インフルエンザを上回る被害にはなっていません。ただ、これから感染が拡大してどのようの変異をするかわからないし、今でも基礎的な疾患のある人や妊娠している人は重症化するリスクがあるといわれています。
薬剤に対する耐性ウイルスや細菌の出現は、避けては通れないものですが、やはり気になるところです。
まだ、タミフルと同じノイラミニダーゼの活性を阻害するリレンザには耐性ウイルスが確認されていないようだし、違った作用点をもつ抗ウイルス薬の開発も進められています。
それでも、現在、インフルエンザ対策の数少ない有効な手段であるタミフルは大事に使われて欲しいと思います。
そのために僕ができることは、仮に感染した時は、ウイルスを体外に排出し他に人に感染させる可能性がなくなるまで、部屋でじっとしているしかないのかな。
関連エントリー
・ 開発中の塩野義製薬の抗インフルエンザウイルス薬 (2009.05.29)
・ タミフル耐性インフルエンザウイルスに関する厚生労働省の中間報告 (2009.01.21)
・ 第一三共のインフルエンザ治療の臨床試験 (2008.11.19)
・ 富山化学の開発中の抗インフルエンザ薬が新たな段階に入ったんですね (2008.01.18)
滋賀で耐性ウイルス確認=新型インフル、国内5例目
滋賀県は30日までに、新型インフルエンザ患者から、抗インフルエンザ薬「タミフル」に耐性を示すウイルスが確認されたと発表した。耐性ウイルスが見つかったのは国内5例目。
県によると、患者は5歳男児。8月に発症し、タミフルを投与されたが症状が改善しなかったため、ほかの医療機関に入院した。男児は既に退院している。周辺に発症者はいるが、タミフル服用後は症状が改善しているという。
2009/08/30/時事通信
岩手で耐性ウイルス確認=新型インフルで国内4例目
岩手県は30日、新型インフルエンザ患者から、抗インフルエンザ薬「タミフル」に耐性を示すウイルスが確認されたと発表した。耐性ウイルスが見つかったのは、大阪、山口、徳島に続き国内4例目。県保健衛生課によると、患者は既に回復しており、周囲への感染拡大は認められていない。
同課によると、この患者は周囲に新型インフルエンザ患者が出たため、濃厚接触者としてタミフルの予防投与を受けた。しかし、その後、発熱などの症状が出て新型インフルエンザを発症。県が国に報告し、国立感染症研究所がウイルス検体を解析した。患者の体内でウイルスが突然変異したとみられ、ほかに耐性ウイルスに感染した人はいないという。
2009/07/30/時事通信
徳島でも耐性ウイルス=新型インフルで国内3例目
徳島県は28日、新型インフルエンザ患者の30代男性から、抗インフルエンザ薬「タミフル」に耐性を示すウイルスが検出されたと発表した。耐性ウイルス確認は、大阪、山口に続き国内3例目。県健康増進課によると、患者は既に回復しており、周囲への感染拡大はないという。
同課によると、男性は7月、職場で新型インフルエンザ患者が出たため、濃厚接触者としてタミフルを予防投与。しかし、5日後に発熱したため、県が厚生労働省に報告し、国立感染症研究所がウイルス検体を解析した。
その結果、ウイルスのたんぱく質「ノイラミニダーゼ」の遺伝子配列の一部に、タミフルへの耐性を示す突然変異が見つかった。別の治療薬「リレンザ」への耐性はないとみられるという。
2009/07/28/時事通信
山口でもタミフル耐性=新型インフル、大阪に続き2例目-予防投与中に発症
山口県は17日、新型インフルエンザ患者から、抗インフルエンザ薬「タミフル」に耐性を示すウイルスが検出されたと発表した。耐性ウイルスが見つかったのは、大阪に続き国内2例目。県健康増進課によると、患者は既に回復している。
同課によると、患者は別の新型インフルエンザ感染者の濃厚接触者で、タミフルの予防投与を受けていたが、発熱などの症状を示して発症した。
患者の体内でウイルスが突然変異したとみられ、ほかに耐性ウイルスに感染した人は確認されていない。
県が、予防投与を受けたが発症した患者のうち、一部のウイルスをサンプル調査した過程で発覚した。県は14日、国立感染症研究所に検体を送付。同研究所で遺伝子解析した結果、ウイルスのたんぱく質「ノイラミニダーゼ」の遺伝子配列の一部に、タミフルへの耐性を示す突然変異が見つかった。別のインフルエンザ薬「リレンザ」への耐性はないという。
2009/07/17/時事通信
タミフル耐性のウイルス検出=新型インフルで国内初-厚労省
厚生労働省は2日、大阪府内に住む新型インフルエンザ患者から、抗インフルエンザ治療薬「タミフル」に耐性を示すウイルスを検出したと発表した。新型インフルエンザで耐性ウイルスが明らかとなったのは国内で初めてで、世界2例目。同省は「重篤度に直接影響を及ぼすものではない」としている。
同省や大阪府によると、耐性ウイルスが見つかったのは、5月29日に新型インフルエンザに感染していると診断され、現在は回復した患者。
府公衆衛生研究所でウイルスの遺伝子配列を調べたところ、6月18日にタミフル耐性を示す遺伝子の変異が確認された。
変異していたのは、増殖したウイルスがヒトの細胞から離れる際に使うとげ状のたんぱく質「ノイラミニダーゼ」の遺伝子配列の一部。昨冬に流行した季節性インフルエンザの耐性ウイルスでも同じ部分が変異していた。
ただし、季節性ウイルスとの交雑は認められず、同省幹部は今回の耐性ウイルスについて「突然変異による不完全なウイルスに近く、感染力は強くない」とみている。
患者は別の感染者の近くにいたため、5月18日からタミフルの予防投与を受けていたが発熱。別の治療薬「リレンザ」に切り替え回復した。家族ら周辺への2次感染は起きていないとしている。
耐性ウイルスは、国内で季節性のAソ連型で広がっているほか、欧州疾病管理センター(ECDCが6月末、デンマークで新型インフルエンザの同様の遺伝子変異が確認されたと発表していた。
2009/07/03/時事通信
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