朝日新聞は今回のインフルエンザを、何故今だに豚インフルエンザと呼ぶのだろう?
6月11日にWHOは、2009インフルエンザA/H1N1のパンデミック・アラートをフェーズ5から6へ引き上げました。
世界的にこのウイルスの感染拡大、パンデミックが始まったということですね。
・ 関連エントリー:インフルエンザ・パンデミック・アラートがフェーズ6に (2009.06.12)
WHOの発表によると、6月12日の時点で、75の国と地域で29,669人の患者、うち145人が死亡しており、致死率は0.49%になっています。
2009インフルエンザA/H1N1が人から人へ感染を拡大する中で、朝日新聞は、6月13日付け朝刊社説のように今だに今回のインフルエンザを「新型の豚インフルエンザ」と表記しています。
・ 朝日新聞 2009年6月13日 朝刊 社説 (赤線は筆者が引きました)
2009.05.24のエントリーにも書いたのですが、何故、朝日新聞は「豚インフルエンザ」と表記するのだろう
・ 関連エントリー:今回のインフルエンザの呼び方、「新型」「豚」「新らしい」? (2009.05.24)
現在、新型インフルエンザへの変異がもっとも懸念されている鳥インフルエンザA/H5N1は、WHOの発表によると、6月2日までに15ヶ国で433人の患者、うち145人が死亡していて、致死率は60.5%と非常に高率です。
ただ、ニワトリなどの家禽から人への感染は、感染した家禽に濃密に接触した場合が多く、さらに人から人への感染は極めて限定的と考えられています。
ですから、H5N1は、人の間で感染が広がるウイルスまでには変異していない、家禽のインフルエンザウイルスであるため鳥インフルエンザと呼ばれているんだと思います。
ところが、2009インフルエンザA/H1N1は、WHOが警戒レベルをフェーズ6したように、世界的な規模で人から人への感染が拡大するインフルエンザです。
何故、朝日新聞は、豚のインフルエンザから変異したと考えられている人のインフルエンザを、今だに「豚インフルエンザ」と表記するのだろう。
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