今回のインフルエンザに対する免疫がある人がいるみたい
今回のインフルエンザA/H1N1は、日を追うごとに感染を拡大していますね。
WHOの「Influenza A(H1N1) - update 36」によると、5月22日現在、42ヶ国 感染者 11,168人 致死率 0.77%となっています。
ただ、ぽつりぽつりと増加する国と日本のように急速に増加する国があって、感染の拡大は国によってだいぶ違います。感染者の把握は、ウイルスの遺伝子まで調べてH1N1を特定しなければならないから、国によって対応が違うのかな。
今回のH1N1について、毎日新聞に興味深い記事が載っていました。
それは、米国CDCの、1957年以前の中高年層が今回のH1N1に対し免疫を持っている可能性があるという見解です。
20世紀のインフルエンザの世界的な感染拡大は、スペイン風邪、イタリア風邪、アジア風邪、香港風邪、ソ連風邪の5回あって、そのうち新型インフルエンザは、スペイン風邪、アジア風邪、香港風邪とされています。残りのイタリア風邪とソ連風邪は、スペイン風邪H1N1の末裔とされているようです。
CDCの見解は、1957年に出現したアジア風邪H2N2以前のウイルスに感染した人が、今回のH1N1に対して免疫を持っている可能性があるということです。
つまり、今回のウイルスはスペイン風邪の末裔ってことかなあ
日本では今回のH1N1を「新型」と呼んでいるけれど、スペイン風邪の末裔だとしたら呼び方が変わるかもしれないね。
関連エントリー
・ 今回のインフルエンザA/H1N1は、豚・人・鳥由来なんだって (2009.05.04)
・ 新型インフルエンザと Influenza A(H1N1) (2009.05.01)
・ インフルエンザ 新型ウイルスの脅威/菅谷憲夫 (2004.01.12)
<新型インフル>1957年以前生まれに免疫の可能性
米疾病対策センター(CDC)は20日、新型インフルエンザの患者の血液を調べた結果、1957年以前に生まれた中高年層が新型への免疫を持つ可能性があるとの見解を明らかにした。CDCは、新型と同じスペイン風邪などH1N1型のウイルスが、異なる型(H2N2型)のアジア風邪の発生に伴い下火になった57年に注目。分析を進めた結果、スペイン風邪など57年以前のH1N1型への免疫が新型にも有効である可能性が高まったという。
CDCが米国内の入院患者164人を調べたところ、49歳以下が約7割を占めた。半世紀前に大流行したアジア風邪が新型への感染や重症化に関係している可能性があるとみて血液検査を実施したところ、57年以前に生まれた人は、新型への免疫を持つ可能性があり、年齢が高いほどその傾向が強かったという。
スペイン風邪は1918-19年に大流行し、その後も感染者が発生した。今回の新型は、豚インフルエンザが変異したものだが、そもそも豚インフルエンザはスペイン風邪由来とされている。
大槻公一・京都産業大教授(獣医微生物学)は「日本でも米国と同じように中高年層が感染しにくい理由がCDCの分析で説明できる。また、日本で豚へのインフルエンザワクチンの接種が始まった90年代以前は、多くの国民が豚インフルエンザにさらされていた。若者が発症の中心になっていることと関連があるかもしれない」と話す。
2009/05/22/毎日新聞
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- 2023年の東海地方の梅雨入りは5月29日ごろ(2023.05.29)
- 2070年の日本の総人口は8,700万人ですか(2023.04.26)
- 清水エスパルス 秋葉監督が就任(2023.04.04)
- 坂本龍一さんが亡くなられた(2023.04.02)
- 新東名に自動運転レーン導入の計画(2023.03.31)
「ウイルス、細菌、微生物」カテゴリの記事
- 季節性インフルエンザの発生がダラダラ続いています(2023.06.01)
- 新型コロナウイルス感染症の定点当り報告数が「感染症発生動向調査 週報」に掲載されるようになりました(2023.05.26)
- 新型コロナワクチンの追加接種用の接種券が届きました(2023.05.24)
- 新型コロナウイルス感染症の新規感染者数の把握が定点調査になるんですね(2023.05.08)
- 静岡市の新型コロナウイルスワクチン接種制度が変更されていた(2023.04.10)
コメント