開発中の塩野義製薬の抗インフルエンザウイルス薬
少し前の日本経済新聞に塩野義製薬が、新たな抗インフルエンザウイルス薬を来年を目処に日本市場に投入すると報じていました。
興味があったので塩野義製薬のサイトで調べてみると、どうやらこの新薬は「S-021812(ペラミビル)」というようです。
塩野義製薬の資料によると開発中のS-021812は、タミフルやリレンザ、そして第一三共の開発中の新薬と同じノイラミニダーゼ阻害剤で、富山化学工業が開発しているウイルスが細胞内で増殖するのを阻害するT-705とは、作用する箇所が違っています。
ただ、発症後48時間以上経過しても、また1回投与で治療効果が期待できると説明しています。
新型インフルエンザへの変異が懸念されている鳥インフルエンザA/H5N1に対しても効果があるとのことです。
同じノイラミニダーゼ阻害剤であっても、タミフル耐性のA/H1N1が確認されていることもあるし、治療薬の種類が増えて選択肢がでてくれば心強いですね。
参考;シオノギの研究開発 2009年3月27日(金)/塩野義製薬株式会社 31-35ページ (PDF 1.26MB)
関連エントリー
・ タミフル耐性インフルエンザウイルスに関する厚生労働省の中間報告 (2009.01.21)
・ 第一三共のインフルエンザ治療の臨床試験 (2008.11.19)
・ 富山化学の開発中の抗インフルエンザ薬が新たな段階に入ったんですね (2008.01.18)
塩野義がインフル新薬を発売 10年めど、大流行に備え
塩野義製薬は2010年をめどにインフルエンザ治療薬を日本市場に投入する。すでに最終的な試験を実施しており、年内に厚生労働省へ申請し承認を得たうえで発売する。治療薬は現在、実質的にスイスの製薬大手ロシュの「タミフル」など2種類しかなく、大流行に備えて供給体制の拡充が急務となっていた。第一三共も開発を進めており、国内各社の相次ぐ参入で、治療の選択肢も増えることになる。
新薬は注射剤で、投与には医師の診察と処方が必要となる。タミフルでは発症から48時間以内の服用が必要とされているが、新薬は48時間以上が過ぎた後の投与でも効果を期待できるのが特長。研究所での試験結果では毒性が強い「H5N1型」の鳥インフルエンザウイルスにも効果があったという。
2009/05/23/日本経済新聞
----------
PDF形式のファイルの閲覧には、Adobe Readerが必要です。Adobe Readerをお持ちでない方は、下のバナーのリンク先からダウンロードしてください。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- 2024年10月の日本の人口は前年の比べ微減(2025.04.15)
- アナログレコードの販売が好調のようです(2025.04.10)
- 「エフエムしみず」と「シティエフエム静岡」が合併し4月1日から「エフエムしみず静岡」に(2025.03.28)
- 3月29日から静鉄電車に急行が復活(2025.03.14)
- 静岡県の2024年産荒茶生産量が鹿児島県に抜かれたというけれど(2025.02.19)
「ウイルス、細菌、微生物」カテゴリの記事
- 季節性インフルエンザも新型コロナウイルス感染症も下火になりました(2025.03.27)
- 季節性インフルエンザは急激に減ってきました(2025.02.17)
- 依然、インフルエンザの流行は止まりませんね(2025.01.23)
- ’24/25シーズンのインフルエンザの患者数はここ10年で最大になるかもしれない(2024.12.31)
- 鳥インフルエンザで初の死者 -米国(2025.01.07)
コメント