タミフルと異常行動の因果関係は否定できない(厚労省研究班)
インフルンザ治療薬タミフルと異常行動の因果関係について、厚生労働省の研究班が調査を進めていましたが、その最終報告があったとのことです。読売新聞が報じていました。
新聞記事によると、これまでは、タミフルと異常行動の因果関係にどちらかといえば否定的だったものが、最終報告では因果関係を否定できないとし、10歳以上の子どもについて、死亡や怪我に結びつく深刻な異常行動のリスクは、服用しない場合の1.54倍高いとしています。
また、軽症のものを含めた異常行動の全体のリスクは0.62倍と逆に低くなっています。
同じデーターでも、その切り出し方によって変わるもんですね。
まあ、薬は副作用はつきものだから、タミフルを服用することとによるインフルエンザの症状に対する効果と及ぼす副作用のリスクを天秤にかけての判断になるのだろうけど。
関連エントリー:インフルエンザと異常行動 (2007.12.26)
ところで、タミフルをはじめとする治療薬の必要性は、病原性の強い新型インフルエンザがパンでミックした時にあるんだと思います。
今、鳥インフルエンザA/H5N1亜型が、新型インフルエンザへの変異の可能性のあるものとしてあげられています。
H5N1は限定的にヒトに感染し、下表のようにその致死率は61%と高いものになっています。ただ、国によって致死率に大きな差があります。この差にタミフルなどのインフルエンザ治療薬の服用の有無が関係しているのだろうか。興味のあるところです。
タミフルと異常行動「因果関係否定できぬ」…厚労省研究班
インフルエンザ治療薬タミフルを服薬した10歳以上の子どもは、服薬しなかった子どもに比べ、飛び降りなどの深刻な異常行動をとるリスクが1.54倍高いという分析結果が18日、厚生労働省研究班(班長=広田良夫・大阪市大教授)の最終報告書で明らかになった。
「タミフルとの因果関係は否定できず、深刻な異常行動に絞った新たな研究を実施すべきだ」と指摘しており、現在は原則中止している10歳代への使用再開は難しくなってきた。
最終報告書は近く、厚労省薬事・食品衛生審議会安全対策調査会に報告される。別の検証作業では、「関連は見つからなかった」とする結論が出されており、同調査会では10歳代への使用をいつ再開するかが最大の焦点だった。
研究は、2006年度からインフルエンザと診断された18歳未満の患者約1万人を集め、解析した。このうち、急に走り出すなどして死亡やけがに結びついた深刻な異常行動に限定して調べたところ、服薬した場合、リスクが1.25倍高くなった。特に注意喚起の対象となっている10歳以上の場合、リスクは1.54倍になった。
一方、うわごとを言うなど軽症のものも含めた異常行動を起こす全体のリスクは、飲まなかった場合に比べて0.62倍と低かった。
2009/04/19/読売新聞
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