四畳半神話大系/森見登美彦
以前、このブログで紹介した「夜は短し歩けよ乙女」や「有頂天家族」でも、今回紹介する「四畳半神話大系」でも感じたことですが、森見登美彦の作品は、独特の文体といい、登場人物の怪しさといい、好き嫌いがわかれるんだろうなあと思います。
「四畳半神話大系」は、大学3年生の主人公が1年生の時に、映画サークル「みそぎ」、「弟子求ム」という奇想天外なビラ、ソフトボールサークル「ほんわか」、そして秘密結社<福猫飯店>のひとつを選択することによって、一話の物語が進みます。
登場人物は、どの物語も設定は違うもののほぼ同じで、どの選択をしても主人公の求める「薔薇色のキャンパスライフ」とはほど遠い、奇想天外で切なくも哀れな物語が語られます。
どんな選択をしても過程や結末はそれほど変わらないという深い意味があるのかないのか、それはさておき、主人公の青年に同情してしまいました。
四畳半神話大系
第一話 四畳半恋ノ邪魔者
第二話 四畳半自虐的代理代理戦争
第三話 四畳半の甘い生活
最終章 八十日間四畳半一周
森見登美彦/角川書店(角川文庫)/2005
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コメント
由莉ままさん、こんにちは。
森見の文体は、好き嫌いがわかれると、僕も思います。そして、それが身体に馴染んで読み進めるようになるのに、少し時間がかかりますね。
森見作品では、夜は…が一番好きです。とにかく、主人公の青年が情けなくて
投稿: Kaze | 2009.04.17 06:03
Kazeさん、こんばんは。
「夜は短し歩けよ乙女」は、本屋で平積みされていたころから気になっていました。
今回文庫化されたのを発見し、読み始めています。
少し昔の雰囲気?の文体は、好き嫌いが分かれるだろうな~と、私も思っていたところでした。
面白くないわけではないけど、入り込むまでに時間がかかるというのが、今の私の正直なところです。
投稿: 由莉まま | 2009.04.17 00:06