“トウモロコシ”から読む世界経済/江藤隆司
トウモロコシは、僕らにとって、焼いたりして直接食べるスイートコーンのイメージが強いのだけど、日本は年間1,200万トン程度、主に米国から輸入し、その多くは家畜の餌として使われています。
トウモロコシの国際価格は、天候不順などによる一時的な高騰はあったものの、2.5~3ドル/ブッシェルのあたりでした。それが、2006年秋頃から上昇しはじめ、2008年8月には6.99ドル/ブッシェルまで高騰し、今は3.5~4ドル/ブッシェル程度に落ち着いています。
この高騰は、世界的な人口や中国などの経済発展による食肉の需要、トウモロコシのバイオエタノール利用などが増加し、そこに投資や投機の資金が流入したためと言われています。
そんなトウモロコシの価格がどのように形成されるのか興味を持って読んだのが、江藤隆司の「“トウモロコシ”から読む世界経済」です。
筆者は、伊藤忠商事でトウモロコシの輸入に関わっていたため、この本では、トウモロコシの生産から流通、価格形成の仕組などが、リアルにわかりやすく書かれています。
そして、三大穀物(小麦、トウモロコシ、米)のひとつであるトウモロコシの需要と供給、そして価格を見ることにより、世界の経済の動向が読み取れる記します。
この本は、今回の高騰以前(2002年)に書かれた本ですが、トウモロコシの価格形成の仕組を理解するにはいい本だと思いました。
“トウモロコシ”から読む世界経済
江藤隆司/光文社(光文社新書)/2002
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