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2009.03.12

愛知・豊橋でウズラに感染したH7N6はどこから来たのだろう

愛知県豊橋市のウズラで、新たに鳥インフルエンザA/H7N6亜型の感染が確認されたと、農林水産省がプレスリリースしています。これで、H7N6のウズラへの感染の確認は、3例目になりました。

感染経路の調査も少しずつ始まっているようです。

2007年年初に宮崎・岡山でニワトリに感染した4例の鳥インフルエンザH5N1では、特定はできないものの渡り鳥が大陸から日本にウイルスを持ち込んだ説が有力です。

参考エントリー:高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チームの報告書は、推理小説のようで面白い (2007.10.25)

今回のウズラのH7N6でも、感染経路の究明の一環として、環境省と愛知県が発生農場周辺の野鳥のウイルス保有状況の調査を始めたと、毎日新聞が報じています。
H5N1の発生もあって、環境省が全国的に野鳥の高病原性鳥インフルエンザウイルス保有状況の調査を行っているけれど、なかなかウイルスが見つからない中、今回の調査結果はどうなるのだろうか?

それと、興味深いのは、豊橋のウズラの1例目と2例目のH7N6が別系統ではないかという農林水産省家きん小委員会の見解です。日本経済新聞が報じていました。
全然、別の経路からウズラに感染したのか、世代を超えてウズラの中で感染を繰り返すうちに、同系統のウイルスが変異してふたつの系統になったのか、これから調査が進むと思います。

また、1例目のH7N6はニワトリに対しても低病原性であることが、動物衛生研究所の試験でわかったと、中日新聞が報じていました。H5N1のように外から見て顕著な症状が出ない場合は、感染を見逃す可能性もあるわけで、難しい問題ですね。

今回、発生したH7N6、どかからやってきてウズラに感染したのだろう。

引用文高病原性鳥インフルエンザウイルス(H7亜型、弱毒タイプ)(3例目)のN亜型の確定について
・ 高病原性鳥インフルエンザ(H7亜型、弱毒タイプ)(3例目)について、(独)農研機構動物衛生研究所が性状の検査を行ったところ、本日、H7N6亜型(弱毒タイプ)であることが確認されました。
1. 3月9日に愛知県において分離され、10日にH7亜型と確認された高病原性鳥インフルエンザウイルスについて、(独)農研機構動物衛生研究所が性状の検査を行ったところ、N6亜型であることが確認されました。
2. この結果、本ウイルスは、H7N6亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルス(弱毒タイプ)と確定しました。
3. (独)農研機構動物衛生研究所では、引き続き、疫学調査のために必要となる遺伝子解析等を行う予定です。
2009/03/11/農林水産省

引用文鳥インフルエンザ:発生地周辺、環境省が野鳥調査へ
鳥インフルエンザ感染問題で、環境省と愛知県は10日、感染経路を特定するため、発生農家周辺に生息する野鳥のウイルス保有状況調査を実施すると発表した。同省鳥獣保護業務室によると、調査は11日に開始。感染が確認された農家を含む半径10キロで実施する。
2009/03/11/毎日新聞

引用文鳥インフルウイルス、愛知の2農場は別系統 農水省小委
愛知県豊橋市のウズラ農場2カ所で高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された問題で、感染ルートの調査や対策を議論している農林水産省・家きん疾病小委員会(委員長・喜田宏北海道大学教授)は9日、記者会見を開き、2カ所のウイルスは遺伝子的には別の系統であるとの見方を示した。
今回、2カ所で検出されたウイルスはともに弱毒性のH7N6型。ウイルスの遺伝子の配列を調べたところ、両者の一致率は96%程度にとどまった。喜田委員長は「別のウイルス株と考えるのが常識」としたうえで、「(2カ所の農場は)違う系統のウイルスに別々に感染したのではないか」と説明した。
2カ所の農場は地理的にも近いため、人やエサの移動などによって農場間で感染が広がった可能性がこれまで指摘されてきた。喜田委員長は今回の遺伝子分析の結果を踏まえ「全く同じウイルスが1カ所目から2カ所目の農場に移ったケースではないだろう」と述べ、農場間でのウイルスの移動には否定的な見解を示した。
2009/03/09/日本経済新聞

引用文ニワトリも発症せず 豊橋の鳥インフルウイルス
愛知県豊橋市のウズラの鳥インフルエンザ感染問題で、ウズラから見つかった高病原性ウイルスはニワトリに感染してもウズラと同様に発症しない弱毒性であることが、動物衛生研究所(茨城県つくば市)の病原性試験で分かった。
同研究所が1例目の感染で見つかったウイルスをニワトリ8羽に接種。10日間、経過観察したが8羽すべてが発症も死亡もしなかったことから、今回のH7N6亜型ウイルスはウズラだけでなくニワトリに対しても弱毒性と判定したという。
農林水産省家禽(かきん)疾病小委員会の寺門誠致(のぶゆき)委員は「ウズラと同様に、仮にニワトリが感染しても大量死などの症状が出ない可能性が高いので、慎重に監視していく必要がある」と話している。
2009/03/11/中日新聞

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