愛知・豊橋の鳥インフルエンザH7亜型は強毒化に向かっていた
NHKの7時のニュースで、愛知県豊橋市のウズラで確認された鳥インフルエンザH7亜型ウイルスは、病原性を強める過程であったことを報じていました。
弱毒ウイルスが強毒化する鳥取大学の研究が、大槻公一の「新型インフルエンザから家族を守る18の方法」に載っていました。
この研究は、コハクチョウから分離された鳥インフルエンザH5N3亜型(弱毒)のニワトリへの感染実験によるものです。
ニワトリはH5N3に感染しにくいため、ウイルスをニワトリの気のう内に直接注入するといった接種方法をとったそうです。これをニワトリで繰り返していくと、次第にウイルスがニワトリの呼吸器によく感染するようになり、10代続けて気のう内に接種しすると、ヒナの10%が死亡するようになったとのこと。そして、24代目にはヒナの死亡率は50%を超えたと。
・ 新型インフルエンザから家族を守る18の方法/大槻公一 P159-162
これは、最初は感染力も病原性も低いウイルスが、感染を繰り返すうちに感染力を獲得し、さらに病原性も強めていくてことだよね。
今回のH7についても、似たようなことが起こったのかな。
確認遅れれば“強毒化”も
愛知県豊橋市で飼育場のうずらから鳥インフルエンザウイルスが検出された問題で、ウイルスの毒性は弱いことが確認されましたが、このウイルスはすでに変異を重ねていて、専門家は、感染の確認が遅れれば毒性の強いものに変化していたおそれがあったと指摘しています。
これは、愛知県豊橋市にあるうずらの飼育場で定期的に行っているモニタリング検査を実施したところ、飼われていたうずらから「H7型」の鳥インフルエンザウイルスが検出されたもので、ウイルスの毒性は弱いものとわかりました。鳥インフルエンザウイルスは毒性が弱くても、鳥から鳥に感染を繰り返すうちに毒性の強い「強毒」に変化する場合があることが知られています。ウイルスの表面で、特定のアミノ酸が4個から5個以上連続してつながるように変化すると「強毒」になるとされていますが、関係者によりますと、今回検出されたウイルスは特定のアミノ酸が3個までつながっていることが確認されたということです。毒性の弱いウイルスが強毒になる直前まで変化していたことから、専門家は「感染の確認が遅れれば毒性の強いウイルスに変化していたおそれがあった。鳥に異常がみられなくても、飼育施設の検査を十分進める重要性が示された」と話しています。
2009/02/28/NHK
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