脳はなにかと言い訳する/池谷裕二
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これまで僕は、脳の神経細胞は、歳とともに減少していくものと思っていました。
歳を追って、物をなかなか覚えない、すぐ忘れる、回転が遅くなる、そんな状況を壊れていく僕の脳細胞のせいにしていました。
でも、池谷裕二の「脳はなにかと言い訳する」を読むと、その僕の詭弁というか、言い訳は通用しないみたいです。
この本の中で、'右半球の視覚野に含まれる神経細胞数'の年齢による推移の研究データが紹介されています。(277頁)それによると、生まれたばかりは3億個近くあった神経細胞が、2~3歳くらいまでの間に急速に1億個程度まで減少し、その後は年齢を重ねても数を維持していくとしています。筆者はこの現象を、とりあえず過剰な数の神経細胞を用意しておき、早い段階でその中から必要な数を確保し維持すると説明しています。
このことが脳全体の神経細胞にも言えることなのかわからないけれど、僕の物覚えの悪さや物忘れの増加は、単なる僕の怠慢が原因なのかな。
「脳はなにかと言い訳する」は、雑誌「VISA」(僕はこの雑誌を読んだことないのでどんな雑誌なのか知りませんが…)に連載された記事をベースに、さらに詳しく解説を加える形で構成されています。
「脳はなにかと記憶する」とか「脳はなにかと疲れを溜める」とか、「脳はなにかと○○する」といった26の項目で章立てし、脳の機能を説明します。
多くの最近の研究データが引用し、それを判りやすく解説しています。
筆者があとがきに「科学的な知見から派生した私の妄想」と記すように、仮説の仮説的な部分も含まれていますが、どこからが「妄想」かが読んでいてわかるので、その点は余り気になりません。
巻末に引用した文献の一覧を掲載していることも好感が持てます。
以前、紹介した彼の著作「進化しすぎた脳」もそうでしたが、脳科学が楽しくなる本です。
ただ、本を出すことに熱心になって、本来の自身の研究が疎かにならないかと、お節介な心配をしてしまうのだけど…
脳はなにかと言い訳する - 人は幸せになるようにできていた!? -
池谷裕二/祥伝社/2006
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