筑紫哲也さんの訃報と朝日ジャーナル、そしてインターネット
筑紫哲也さんが亡くなられたとのこと。73歳だったそうです。
この訃報を聞いて、まず頭に浮かんだのが、彼が編集長を務めた週刊誌「朝日ジャーナル」です。
その後のニュースキャスターとしての活動は、テレビを余り見ない僕は、よく知りません。
朝日ジャーナルは、1992年に廃刊になったけれど、そう言えば最終号だけは記念に取っておいたなあ思って、探してみたら、少し茶色に変色した最終号があり、パラパラと読み返してみました。
最終号は、当時の編集長 下村満子さんと筑紫さんの対談で始まります。
対談では、新聞、雑誌、テレビのメディアのあり方を話しあっています。
読み返してみて面白いと思ったのは、メディアとしてインターネットの視点がまったく欠落していること。
それは、当然と言えば当然で、インターネットが一般に普及し始めたのは、Windows95が発表され、OSと接続ソフト、ブラウザ、メールソフト、ファイル送受信ソフトがひとつのパッケージになってからだと思います。
朝日ジャーナルが廃刊になったのが’92年、Windows95は’95年だもね。
それから、世紀が変わって、グーグルなどの検索エンジンの性能が上がり、ブログなどで個人が簡単に情報発信できるようになりました。
対談の次の特集で、「ハイパーメディアへ大潮流」と題してネットワークを活用したメディアを扱っているけれど、あくまでもパソコン通信やケーブルテレビの利用で、今のインターネットの状況までは予測はしていません。
朝日ジャーナルが廃刊になった頃、将来のメディアのあり方とか可能性とか、そういったものを思い描いていた人は、きっと既存のマスメディアの人達ではなく、全然別の人達だったじゃないかと思ったりします。
また、東西の冷戦が終わり、朝日ジャーナルが廃刊になった頃から、世界の仕組みが変わり始めました。
その混乱は、15年経った今も続くというより、新しい秩序を求めてよりその度合いが強くなって、落着き先がわからない状態です。
朝日ジャーナルの創刊は1959年で、廃刊が’92年。戦後、日本の成長した時代を象徴した雑誌のひとつで、その廃刊は時代の必然だったのでしょう。
勿論、今だから言えることで、後出しジャンケンの勝手な考えですが 今の時代、誰がこれからの世の中を的確に予想しているのだろう
筑紫さんの訃報のニュースを聞いて、朝日ジャーナル最終号を斜め読みした、雨の土曜日の朝でした。
筑紫哲也さん死去、ニュースキャスターで活躍
ニュースキャスターとして活躍したジャーナリストの筑紫哲也(ちくし・てつや)氏が7日午後1時50分、東京都内の病院で肺がんのため死去した。73歳だった。お別れの会を開くが日取りなどは未定。
1959年に早稲田大政治経済学部を卒業、朝日新聞社に入社。米ワシントン特派員や雑誌「朝日ジャーナル」編集長を歴任し「新人類」などの流行語を生んだ。
89年にTBS系「筑紫哲也NEWS23」のメーンキャスターに転身。世相を評した「多事争論」コーナーが人気を博した。
2008/11/07/日本経済新聞
追記 2008.11.08
筑紫哲也さんが、朝日ジャーナルの編集長を務めていたいた時期のジャーナルの巻頭コラムをまとめた「多事争論」が、本棚の片隅にありました。
この本を買ったことも読んだこともすっかり忘れてしまっていた
雨は止んだけれど、はっきりしない天気。読み返してみようかしら。
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コメント
四月の旅人さん、こんにちは。
朝日ジャーナルは、僕も毎週読んでいたので、廃刊が少し名残惜しくて、最終号だけはとっておきました。
今、読み返してみると、やっぱり古さを感じてしまいます。
廃刊後、世界も日本も変わり始めて、新しい秩序がどのあたりに落ち着くのか、僕にはとても想像がつきません。
ただ、好む好まざるにかかわらず巻き込まれていくんだと感じています。
投稿: Kaze | 2008.11.13 21:38
私も最終号だけ、持っています。
当時バックナンバーが押入れ下段のほとんどを占めている状態で、
この号が出てしばらくしてから、泣く泣く処分しました。
いま思えば、とっておいてもよかったかと
少しばかり後悔しております。
投稿: 四月の旅人 | 2008.11.13 12:44