気候変動への賢い適応
洞爺湖サミットの主要議題のひとつが、気候変動対策、具体的には二酸化炭素の排出量の削減なんだけど、世界的な合意を得るのは難しそうですね。
日本やEUは削減に前向きだけど、最大の排出国米国は、基本的には賛成、でも中国やインドなど新興国が約束しなければねと。中国をはじめこれから経済発展しようとする国は、削減は発展を阻害するし、先進国はこれまで発展によるうまみを享受してきたじゃないかと。
二酸化炭素など温室効果ガスを削減することで、どの程度、気候変動を抑えられるのか、僕にはよくわからないけれど、その対策を世界的に進めることも相当困難で、実際に気候変動による実害が顕著に現れないと、各国が共通の認識に立てないのかもしれません。
でも、それでは手遅れ?
そうした中、環境省の地球温暖化影響・適応研究委員会の報告書を読みました。
・ 参照:地球温暖化影響・適応研究委員会/環境省
報告書は、状況分析と予測、各産業やインフラ、生活への影響、そして対策が書かれ、いたって真面目で興味深いものです。
でも、この報告書のタイトル、なかなか意味深長ですね。
「気候変動への賢い適応」
適応かあ!生物は、自然の圧倒的な存在のもと、賢く(運よく?)適応できたものだけが生き残ってきたものね。
温暖化ガス長期目標「50年半減」重要性で一致 サミット首脳
主要国首脳会議(洞爺湖サミット)は8日、2日目の討議に入り、地球温暖化対策に関して2050年までに世界全体の温暖化ガス排出量を半減する長期目標実現の重要性で一致した。そのうえで「(中国、インドなどを含めた)主要排出国にも目標共有を促す」ことを首脳宣言に盛り込む。世界経済では、外国為替市場の安定化に向けた協調で一致。原油価格安定のため、産油国と消費国とが話し合う新たな国際的枠組みづくりを目指すことも確認した。
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温暖化対策に関する合意は、削減には「中印など主要排出国の参加が不可欠」と強く主張する米国に配慮した形。米国はG8だけでの「50年半減」の合意に難色を示していた。
2008/07/08/日本経済新聞
新興5カ国会合、先進国に80―95%削減要求 温暖化ガス
中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカの新興5カ国は8日午後、札幌市内のホテルで首脳会合を開き、地球温暖化対策で先進国がまず温暖化ガス削減を進めるよう求めた共同声明を発表した。2013年以降の温暖化対策の国際的枠組み(ポスト京都議定書)を巡り、先進国全体で2050年までに 80―95%減らすよう要求した。
20年までのいわゆる「中期目標」として先進国に1990年比で25―40%の温暖化ガス削減や、地球温暖化防止に向けた技術革新、途上国への財政支援も求めた。声明は「共通だが差異のある責任」の原則を強調し、これまで温暖化ガスを多く排出してきた先進国に一段と責任があるとの認識も確認した。途上国の削減義務については触れていない。
2008/07/08/日本経済新聞
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