エネルギー白書て、結構面白い
このところの原油や小麦、トウモロコシなどの価格の高騰は、それらが投資の対象となり、大量に資金が流れ込んだのが原因のひとつと言われています。
でも、投資行為が高騰にどのくらい影響を与えているのか、値上がりした金額のいくらが投資によるものか、僕の注意不足なだけかかもしれないけれど、これまで報道などで余り見かけたことがありませんでした。
そんなことを思っていたら、最近、公表された資源エネルギー庁の「平成19年度エネルギーに関する年次報告」(通称:エネルギー白書)に、原油について興味深い記述がありました。
白書によれば、原油の価格の内訳は、ファンダメンタルな部分とプレミアムな部分があるとのこと。
ファンダメンタルな部分とは、原油の需要と供給の部分。物の価格は需要と供給で決まるから、この点はわかりやすいです。現在は、需要の増加に供給が追いついていないから、価格が上昇しているんだと。
一方、プレミアムな部分とは、産油国の政情不安(いわゆる地政学的リスクというやつ)やピークオイルなどによる長期的な生産の見込み、そこに投資資金が流入し、価格を上昇させるというもの。
白書(31~32頁)では、2007年第3・4四半期の試算として、ファンダメンタルな部分が50~60ドル/バレル、プレミアムな部分が30~40ドル/バレルとしています。
原油価格のおよそ2/5が実需に基づかない部分。このことが、価格の予測を難しくしているんだろうな。
それにしても、エネルギーのことに疎い僕にとってエネルギー白書は、エネルギーが置かれている状況を理解するのに、とてもいいテキストです。
参照:平成19年度 エネルギーに関する年次報告書(エネルギー白書)/資源エネルギー庁
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